サッポロビールは9月5日、月や火星での宇宙基地で人類が生活することを想定した、食料としての大麦の長期輸送・保管の耐性実験を行い、成功したと発表した。
これは、ロシア科学アカデミー生物医学研究所(IBMP)が国際宇宙ステーションを利用して取り組んでいる研究に参画している岡山大学が行う研究の一環として行われたもの。
今回は、国際宇宙ステーションの船外で、大麦種子2g(50粒)を金属容器に13か月間(2007年6月~2008年7月)保管する実験と、その後、地球上での栽培実験(2008年11月~2010年5月)を行った。
保管実験では、船外での宇宙放射線、太陽光、真空、微小重力、寒暖差110度(-20~90度)という、地球上とは全く異なる過酷な環境下での大麦種子の品質や遺伝子等の変化について調査し問題がないことを証明した。
また地上での栽培実験でも同様に生育した大麦に変化はなく、宇宙で保管した米やトウモロコシが異変をきたすという事例と比較し、大麦の宇宙における耐性の強さを証明できた。
研究成果については、9月15日発行の「Advances in Space Research」誌に掲載され、日本宇宙生物学会第25回大会(9月30日、10月1日、横浜国立大学)で発表予定。
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