大和ハウス工業は12月6日、最先端の環境最適化のためにスマートマネージメントシステムを採用したマルチテナント型物流施設「DPL相模原」を公開した。
DPL相模原は3月に開通した圏央道相模原愛川ICから約5㎞の位置にあり、国道16号線、129号線とのアクセスも良く、広範囲な物流が可能な立地。
5㎞圏内に13駅の交通機関があることから、通勤の利便性も良く、周辺人口は50万人と労働力確保にも最適としている。
DPL相模原は埼玉県のDPL三郷に続く大和ハウス工業では2棟目のマルチテナント型物流施設。それまでは100%BTS型(特定企業向け)物流施設だった。
大和ハウス工業の浦川竜哉常務執行役員は「これまで顧客のニーズに沿って建設を進めてきた。DPL三郷は100%稼働で、このDPL相模原も1階部分を若干残して、既に90%以上の入居が決まっている。
しかし、BTS型は20年程度の長期契約が多く、マルチテナント型は5年程度が主流。今後、全体で98%程度の稼働率を得るには、BTS型を7、マルチテナント型3の割合で開発を進める」と話した。
DPL相模原の他社との大きな差別化を図る取り組みがスマートマネージメントシステムの採用だ。
スマートマネージメントシステム(D-LEMS)を導入し、CO2排出量を約25%削減する次世代の環境配慮型物流施設としての実証実験を行う。施設内の温湿度環境や空調・換気などを一元管理する。
また、地下免震ピット内の安定した温度の空気を利用し、予冷を行う空気還流システムなどを採用する。庫内を監視するテレビカメラ(ITV)の設置やLEDの採用、さらには太陽光発電システムの採用も行っている。
これらをすべてタブレット端末で管理できるのも大きな特徴。各フロア2台まで設置可能で、すべての操作が可能だ。
実証実験は12月24日から開始し、採用・効果検証した環境配慮技術は同社の設計・施行・運営する物流施設で採用していく。
■建物概要
建物名称:DPL相模原
所在地:神奈川県相模原市麻溝台1-13-1
敷地面積:4万1777.75㎡
延床面積:10万2817.56㎡
設計・施行:大和ハウス工業
構造:PCaPC(プレキャストプレストレスコンクリート)造
仕様:各階接車バース、ランプウェイ方式、床荷重1.5t/㎡、梁下有効高5.5m