フェデラルエクスプレス(フェデックス)は2月6日、ヘルスケア業界向け輸送サービス事業についての取り組みと拡充策を発表した。
同社では、ヘルスケア関連市場の成長率はアジア太平洋地域が世界の2倍以上の成長率を示し、製品の内、25%は温度管理が必要とみている。
2017年までに世界のコールドチェーン輸送の30%を占めると予測し、日本市場でもさまざまな展開を図っている。
北太平洋地区担当の氏家正道副社長は、「フェデックスは何年にもわたりヘルスケアサービスの充実に努めてきた。米国のメンフィスのハブでは2014年10月に温度管理のできる8000㎡の大規模集荷・配送設備を拡充する予定だ。そして、日本でも、世界中に一貫温度管理輸送ができるフェデックスならではの新しい手法や機材を開発し、展開を始めている」と話す。
ヘルスケア業界向け輸送サービスでは、新たに「SenseAware」と呼ばれるセンサー機器を開発・検討中だ。位置情報をセッティングしておけば、そのコースから外れるとアラームが鳴る位置情報機能や、温度・湿度管理、光の照射状況などがわかる。今後、このセンサーをベースとしたサプライチェーンを進めていくとしている。
<ナノクールを手に説明するアジア太平洋地域ヘルスケア産業チームの尾高邦夫部長>
保冷剤やドライアイスを使わない「ナノクール」と呼ばれる新しいパッケージ(梱包箱)も昨年8月から使用を始め、アジア太平洋地区でも、オーストラリア、シンガポール、香港などで導入している。
日本国内でもエンバイロテナー(温度管理ができるコンテナ)による2温度帯輸送や、インド向けのマイナス15℃輸送、荷物に被せる形態でコストの安いサーマル・ブランケット輸送などを行っている。
フェデックスでは、アジア太平洋地域に薬事・薬品担当を30名以上、日本国内に6名のヘルスケア産業チームを組織して、ヘルスケア事業の拡充を図る。
フェデックス/物流とサプライチェーンを強化するソリューション提供