三菱重工業は9月16日、米国ボーイング社の中型ジェット旅客機「787」向け複合材主翼の増産に向けて山口県の下関造船所で進めてきた航空機工場建物の拡張工事を完成させ、16日に竣工したと発表した。
ボーイング社が787の生産機数を現状の月産10機から今後14機に拡大するため。
拡張工事は、2006年から下関造船所の大和町工場内にある航空機工場で稼働している主翼に組み込まれる補強用部材のストリンガー(縦通材)の生産設備の能力増強を図ったもので、複合材を積層した後に高温高圧で焼き固めるオートクレーブ(複合材硬化炉)や部品加工用の切断装置などを順次稼働する。
生産されたストリンガーは、名古屋航空宇宙システム製作所の大江工場に輸送され、これらを取り付けて主翼構造体を組み立て、ボーイング社に出荷する。なお、大江工場の増産準備も進めている。
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