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アスクル/大阪・吹田に同社最大の物流センター竣工、防火設備増強

2017年09月07日/物流施設

アスクルは9月1日、「ASKUL Value Center 関西」(以下:AVC関西)を構える物流施設「GLP吹田」(大阪府吹田市)の引き渡しを受け、9月7日竣工した。

GLP吹田は、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(以下:GLP)の手がけた先進的物流施設で、アスクルは施設を「AVC関西」として、2018年2月の全面稼働に向けて準備を進めている。

<ASKUL Value Center関西>
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アスクル最大の基幹物流センターとして、法人向けサービス「ASKUL(アスクル)」と、一般消費者向けインターネット通販サービス「LOHACO(ロハコ)」双方の物流を担う。

これまでに培った設計・運営ノウハウを活かして最先端の物流設備を導入し、生産性を徹底的に追求、24時間365日フル稼働することで、在庫商品の種類・在庫量の拡大と、年間1000億円クラスの出荷能力を実現する。

施設名称は、デジタルマーケティングとリアルマーケティングの融合を実現するプラットフォームとしての機能をもたせるなど幅広く活用していくためAVC関西とした。
 
今年2月の物流センター火災を受け、防火シャッターを確実に作動させるための設備等の増強、初期消火の実効性を高めるための訓練等の実施、地域消防と連携した事前消防計画の検討を進めた。

強固な免震構造を採用しているとともに多くの生活用品を在庫することから、地震発生等の大規模災害の際には地域住民の一時的な避難場所として開放し、支援物資の提供を行うなど、地域のために役立てていただけるよう、防災協定の締結に向け、近隣自治体、GLPと三者協議を進めている。

AVC関西の新設によって将来的には約1000人の雇用を創出する予定で、厨房設備付きのカフェテリアを設けて、温かい食事を無償提供するなど、働きやすい職場作りに注力している。

<GLP吹田>
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施設は、GLPが、開発したもので、昨年5月に着工した。4階建て、延床面積16.5万m2の規模で、大阪中心部から約9kmという立地。

名神高速吹田ICより約6.3kmに位置し、大阪を結ぶ主要幹線道路の名神高速、近畿自動車道、中国自動車道を利用することで広範な配送を確保できるとともに、JR東海道本線岸辺駅、阪急京都線正雀駅に徒歩圏内であることから人材の確保についても適している。

ワンフロア面積は、3.6万m2の国内最大級の規模で、ダブルランプウェイ、中央車路を備えた。

アスクルの物流オペレーションニーズに応え、自動ラックやマテハンの設置対応や倉庫内の縦搬送を強化するため、垂直搬送機と荷物用エレベーターを多く設置したほか、重量物対応として一部エリアの床荷重を2t/m2とし、全館に300ルクスの高照度の照明、一部倉庫内で空調を採り入れている。

全館LED照明や太陽光パネルの設置、井水利用や雨水再利用など環境に配慮しており、世界的にも広く普及している建物環境認証制度であるLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)ゴールドの予備認証を取得している。

建設時のCO2排出配慮や庫内の快適性を保つための多層式車路の3D換気システムの採用などのサステナブルな取り組みが評価され、国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に物流施設として初めて採択されるなど環境面でも高い評価を得ている次世代型物流施設。

働きやすい環境を提供するため、カフェテリア(最大270名が利用)のほか、駐輪場の収容台数を416台確保している。

BCP対策として、免震構造を採用すると同時に、非常時には非常用発電に加えて太陽光による電力の館内での一部利用も予定している。

地域社会への配慮として、一部敷地を提供して、東側に近隣の方にも利用できる遊歩道を敷設している。

今回の建設工事を行った土地が、埋蔵文化財包蔵地であることから発掘調査を実施し、敷地内の遊歩道に出土した遺跡・遺物についてのサインプレートを9か所設置し、地域住民や来館者に土地の記憶として紹介している。

<(左)アスクルの岩田社長とGLPの帖佐社長>
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帖佐義之社長は、「アスクル様専用のGLP吹田の竣工を迎え、大変嬉しく思います。GLPにとっても関西のフラッグシップと言える最大の延床面積を誇る施設であり、GLPの幅広い経験と実績、高い技術と専門性を活かした最新鋭の施設です。業界最大手のアスクル様の最先端の物流オペレーションをサポートするという重責を担うべく、仕様、環境対応、快適性などの面で都市型施設ならではのさまざまな工夫をこらし、効率的且つ機能的な物流業務の実現を提供致します」と述べている。

<事業主、参列者、来賓による鏡開き>
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GLP吹田の開発は、GLPがCPPIB(カナダの公的年金運用機関であるカナダ・ペンション・プラン・インベストメント・ボード)と2011年8月に50%対50%で立ち上げた合弁事業「GLPジャパン・デベロップメント・ベンチャー」による開発物件となる。

なお、GLPは、関西で開発中を含め26棟を、大阪府下では13棟の物流施設を所有・運営している。

■ 施設概要
施設名:GLP吹田
所在地:大阪府吹田市岸部南3-34-1
敷地面積:約75,064m2
延床面積:約165,235m2
着工:2016年5月
竣工:2017年8月

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