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新型航空保冷コンテナ/内部を公開、実施試験の概要発表

2018年03月06日/IT・機器

国土交通省、東プレ、トプレック、ヤマト運輸は3月6日、東京・羽田クロノゲートで新型航空保冷コンテナ(試作品)の試験輸送を前に、概要を説明した。

<右側が新型航空保冷コンテナ(試作品)、左側が従来のドライアイス型の航空保冷コンテナ>
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<新型航空保冷コンテナ(試作品)の庫内には、上部と左右に蓄冷版が取り付けられているが、今後上部に2枚の蓄冷版のスタイルに改造する>
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<現在は上部に設けられている蓄冷版冷却機スペースだが、今後下部に移し、庫内の有効活用を図る>
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<従来のドライアイス型の航空保冷コンテナのドライアイスストッカー。最大80㎏まで可能>
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国土交通省が、地方産地から海外までのコールドチェーンの構築のため、新型航空保冷コンテナの研究開発を実施しており、その研究開発の一環として新型航空保冷コンテナ(試作品)の試験輸送を実施するもの。

<輸送工程>
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羽田クロノゲートには、新型航空保冷コンテナ(試作品)と従来のドライアイスを利用したLD-3型と呼ばれる航空保冷コンテナを用意。それぞれのコンテナに疑似商品を4箱ずつ積み込み、1つのパレットに搭載し、羽田空港から航空輸送し那覇空港、那覇空港から航空輸送して香港国際空港へ運ぶ。復路も同様に香港国際空港から航空輸送で那覇空港、那覇空港から航空輸送で羽田空港に輸送する。

シンガポールで実施した試験では、コンテナ内の温度推移が新型航空保冷コンテナ(試作品)では、ほぼ一定の温度を保ち、ドライアイス型では頻繁に温度変化が起きるデータを得ている。規定温度内でも温度の変化があると、農産物でも葉物野菜類はーには影響を及ぼす。ドライアイスに弱い農産物もあるという。

試験ではコンテナを満杯にせず、4箱という少量の荷物で行う。満杯時だと、保冷された荷物による相互冷却効果が表れるため、満杯時より少量の荷物時の方が、試験状況が厳しくなるためだ。

日程は3月6日から3月8日。この間に、各コンテナに取り付けた温度データロガー(電子記録計)により、コンテナ内外と商品温度のデータを収集する。

新型航空保冷コンテナ(試作品)の冷却の仕組みは、外部電源(3相200V)で稼働する蓄冷版冷却機(コンデンシングユニット)によって蓄冷し、コンテナ内の空気を自然滞留させる仕組み。電源を搭載しておらず、航空機内で稼働しないため、航空機システムと干渉することがない。ドライアイスと乾電池が不要となることで、ランニングコストが削減できる。

新型航空保冷コンテナ(試作品)はLD-3型の規格に準拠しており、試験の分析結果により、国際・国内認証を受け、2019年度内に量産化し実用化を目指す。

また、新型航空保冷コンテナ(試作品)は搭載可能機種がB747、B777、B767だが、より小型のB737用にも搭載できる新型航空保冷コンテナ(試作品)も同時開発を進めている。

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