大和ハウス工業は5月1日、愛知県小牧市でマルチテナント型物流施設「DPL 小牧」を開発し、稼働した。
規模は、地上5階建て、延床面積19.2万m2で、最大25社のテナント企業が入居可能なマルチテナント型物流施設。
1区画の賃貸倉庫面積は約4970m2(事務所含めた1区画あたりの最小は約5170m2)からで、EC(電子商取引)事業者や近隣の工業団地の製造業者、小売業者などの入居を想定している。
自社専用に建設するBTS型物流施設と比べ、物流ニーズの多様化により、急速に変化する事業環境の中でスピーディに事業を展開することができる。
立地は、名古屋高速11号小牧線「堀の内出入口」から約2km、「豊山南出入口」から約3kmに位置し、神奈川県厚木市から約300km、大阪府大阪市から約180kmの距離にあるため、関東・関西地域間の輸送における中継物流拠点としても機能する。
東海・北陸地域にも3時間30分以内に輸配送でき、名古屋市の外周部を通る名古屋環状2号線へ車で約20分と近接しているため、アクセス性が高い。
トラックが各階に直接乗り入れることができるダブルランプウェイ方式を採用し、上りと下りの動線が分離しているため、トラックの交差や渋滞が発生しにくくなり、スムーズに出入庫することができる。
倉庫内の中央を通る通路である中車路を設けることで天候の影響を受けずに荷物を積み下ろしができ、施設全体で195台分のトラックバースを用意した。
施設内には従業員が仕事と子育てを両立できるよう、保育所を設け、テナント企業の従業員を対象に、最大36名の児童の受け入れが可能で、働きやすい就労環境を提供する。
カフェテリア、無人コンビニエンスストア、休憩スペースを設け、労働環境整備を支援する。
特別高圧受変電設備を設け、冷凍冷蔵倉庫としても対応可能にした。
これは、全国スーパーマーケット協会が、2025年4月3日に公表したスーパーマーケット店舗数で、愛知県のスーパーマーケット数が1039か所となり、2015年3月末と比べて73店舗増加している。そのため、スーパーマーケットが生鮮食品や冷凍食品などを保管する冷凍冷蔵倉庫の需要が高まっていると見込んでいるため。
東海地域では、製造業やEC(電子商取引)関連の物流量増加を背景に、物流施設の需要が堅調に推移しており、マルチテナント型物流施設の新規供給数も増加傾向にある。
中でも愛知県は、関東、関西、北陸地域を結ぶ長距離輸送の中継物流拠点としての役割とともに、東海・北陸地域に分散する物流施設を集約するエリアとして、今後も根強い需要が見込まれている。
BCP対策として免震システムを導入し、地震の揺れの軽減、上層階の荷崩れを防ぐなど、荷物や設備のダメージを最小限に抑え、短時間で事業の再開が可能となる。
■施設概要
施設名:DPL小牧
所在地:愛知県小牧市下小針中島2-144
交通:名古屋高速11号小牧線「堀の内出口」から約2.2km、名古屋高速11号小牧線「堀の内入口」まで約2.3km、名古屋高速11号小牧線「豊山南出口」から約3.4km、名古屋高速11号小牧線「豊山南入口」まで約2.8km
敷地面積:8万5716.62m2(2万5929.28坪)
延床面積:19万2385.22m2(5万8196.52坪)
賃貸面積:16万3772.85m2(4万9541.28坪)
構造・規模:1~4階 鉄筋コンクリート造(柱)・鉄骨造(梁)、5階 鉄骨造 5階建て
設計・施工:大成建設
着工日:2022年5月9日
竣工予定日:2025年4月15日
稼働予定日:2025年5月1日
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