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キリン、アサヒなどビール4社/東北6県でビールパレット共同回収、飲料も

2018年10月09日/SCM・経営

サッポロビール、サントリービール、アサヒビール、キリンビールは10月9日、11月より、東北6県(青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県)においてビールパレット(以下:Pパレ)の共同回収の先行展開を開始すると発表した。

<東北6県におけるPパレ共同回収のスキーム>
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トラック輸送のドライバー不足を含む物流部門での労働力不足を背景に、パレット回収の物流合理化による環境負荷低減とメーカー・得意先双方の業務負担を軽減する。

Pパレは、業界統一規格として1992年から酒類飲料業界で共同利用しており、2013年に、Pパレ共同使用会の一般社団法人化を契機としてPパレ管理業務の標準化(伝票の統一、共通受払システムの導入)が進んでいるが、得意先からの回収については各社が個別に実施していた。

今回先行展開する共同回収では、回収先は、複数社と取引があり、年間でPパレ共同使用会加盟社合計の回収枚数が1万枚以上の得意先を対象とし、Pパレ回収をビール4社で分担(回収代表社を選定)し、得意先ごとに回収代表社1社が、ビール4社分のPパレを回収する。代表社がビール4社分を合算して、得意先と回収管理をおこなう。

さらに、ビール4社のグループである各飲料会社4社分のPパレも回収対象に含む。

この取り組みにより、回収車両の積載効率の向上、回収距離の短縮や回収運用に関わるトラック台数の削減によるCO2削減が促進され、ビール4社合計で、年間のCO2排出量が約735トン(従来比で約56%)削減できると試算している。

得意先においても、Pパレ返却先が4社から1社に集約されることから業務負担の軽減につながるものと見込んでいる。

今回の先行展開の効果検証に基づき、ビール4社による実施エリアの拡大、Pパレ共同使用会全体への展開の拡大を目指す計画。

サッポロビール、サントリービール、アサヒビール、キリンビールは、温室効果ガス対策や、長距離トラック輸送のドライバー不足に伴う物流インフラのひっ迫に対して、環境にやさしく持続可能な物流の共同展開を進めてきた。

引き続き「競争と協調」の視点から既存の枠組みを超えた協力体制を構築することで、さらなる持続可能な社会への貢献を目指す考え。

なお、Pパレ共同使用会は、加盟社のビール9型プラスチックパレット(略称:Pパレ)の適切な管理と、Pパレの共同利用促進を目的として2013年設立。加盟社数は106社(2018年5月現在)となっている。

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