田附興風会医学研究所北野病院は10月23日、シップヘルスケアグループの小西医療機器と帝人が共同で開発した医療機関向けのRFID物流管理(SPD)システム(医療現場の消耗品管理を柔軟かつ円滑に行うための専用物流システム)を導入したと発表した。
<「レコファインダー」とモニター>

<運用イメージ (物流倉庫~病棟の使用までを一元情報管理)>

小西医療器と帝人は、今後、北野病院での運用における業務改善効果を実証しながら、導入施設の拡大を図っていくとしている。
新システムは、これまで医療分野においては、院内物流の一部にICタグを活用するケースがほとんどだったが、このシステムは、医療材料などの管理対象物にICタグを貼付することで、SPD事業者の外部倉庫での入出荷から、病院への入荷、院内での使用に至るまで、物流業務全ての一括管理を可能とした。
病棟や手術室では、ICタグが貼付された物品カードを「レコファインダー」に
投函するだけで、医療材料の使用実績が自動登録され、院外倉庫に情報が流れる仕組みになっており、人手による発注業務の大幅削減が期待できる。
また、保険償還物品や1000円以上の医療材料についても、ICタグを貼付し、使用時に剥がして患者台紙に貼り換え、読み取りボックスに投函することで、どの患者に何の物品を使用したのかを把握できるため、医療材料のトレーサビリティ確保による安全性の向上や、患者ごとの原価管理が可能になる。
さらに、システム導入後の現場運用への定着状況や安全性などを段階的に確認することにより、5年以内には、院外倉庫と院内物流を合わせた管理・作業工数を半減させる予定だ。
今後、両社は北野病院での業務改善効果を実証し、さらに最適な運用方法を検討することで新システム導入の価値の最大化を目指すとともに、他の医療機関への採用拡大に向けて連携強化を図る。
なお、小西医療器は、来年度からの運用拡大に向けた体制構築、および既存SPD受託施設に対する、このシステムへの切り替え導入を計画している。
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