帝国データバンク(TDB)は8月18日、企業が1年以内に倒産する確率を10段階のグレードで表す指標「倒産予測値」が算出可能な147万社のうち、2025年6月時点で高リスク企業(グレード8~10)は全体の8.7%にあたる12万8552社となった。
2024年12月と比較すると1592社増加した。
業種ごとでは、運輸業は、1万1828社→1万164社となり、2024年12月からの減少数は1664社で、最も多く減少した業種となった。
ただ、高リスク企業の減少は、もともと倒産リスクが高い企業が市場から退場したことが要因のひとつとして考えられるため、減少企業数が多かった上位3業種について傾向を確認。2025年上半期に倒産した企業のうち、2024年12月時点で高リスクであった企業の占める割合を算出。
それによると、全業種では倒産企業のうち高リスク企業が占める割合が41.0%であったのに対し、「運輸業」は73.3%、「飲食料品小売業」は76.6%、「飲食店」は69.2%と非常に高い傾向にあった。市場から退場した企業の多くが高リスクであることが判明し、淘汰が進んでいるといえる。
「運輸業」については、ドライバーの労働時間が規制された2024年問題があり、仕事はあるものの輸送能力の低下により、売上・利益が低下する企業もある。燃料費や人件費の高騰、人手不足といった課題は依然として存在する。競争力の低い企業が淘汰されたことで、高リスク企業の数が減少しているものの、業界全体の課題が解決されたわけではない、としている。
なお、業種別の高リスク企業では、「製造業」が3万3465社で2024年12月と比較すると4894社増、次いで建設業が3万20社で1203社増となっている。
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