LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





アッカ/NIKE初の最先端自動化物流センター「The DUNK」構築

2020年02月03日/物流施設

アッカ・インターナショナルは2月3日、千葉県市川市にNIKE社のフルフィルメントセンター「The DUNK(ザ ダンク)」を開設し、2019年6月1日から稼働していると発表した。

<NIKEの物流センターを開設したESR市川DC>

20200203acca1 520x346 - アッカ/NIKE初の最先端自動化物流センター「The DUNK」構築

<NIKEの商品が並ぶThe DUNKの庫内>

20200203acca4 - アッカ/NIKE初の最先端自動化物流センター「The DUNK」構築

The DUNKは、ESRがJR「二俣新町駅」前に建設した延床面積22万5000m2の物流施設「ESR市川ディストリビューションセンター(DC)」内に開設。NIKEが全国10か所に展開しているNIKE直営店と、ECサイト「NIKE.com」向けのアパレル商品を取り扱い、物流やシステム、ささげ(商品撮影や採寸、原稿作成)、コールセンターなどのサービスをアッカが一気通貫で提供している。

< The DUNKに導入したAGV「EVE500」>

20200203acca2 - アッカ/NIKE初の最先端自動化物流センター「The DUNK」構築

施設名は、バスケットボールのゲームの在り方を変えた「ダンクシュート」に由来。ダンクシュートのように、今後の物流の在り方を変えるセンターをコンセプトとした最先端施設で、200台超のGeek+(プラス)社製AGV「EVE500」と6000台の搬送棚によるGTP(Goods To Person)型のピッキング方式を採用し、24時間365日稼働で注文から数時間後には商品を依頼主の手元に届けることが可能となっている。

また、センター内の設備は一切が固定化されておらず、NIKEの成長や波動、ビジネス形態の変化に柔軟に対応できるフレキシビリティを兼ね備えた施設とした。

GTP形式を採用したのは、NIKEが世界に保有する物流センターでもThe DUNKが初めて。今年は東京2020大会の開催を控えて注目が集まっていることから、設置場所として日本が選ばれた。

製造メーカーでは、これまでの卸売からECなどによる直販へ販売形式のシフトを強めており、流通の形と量の増大を支えるバックヤード機能としての優れたフルフィルメント体制を必要としている。

NIKEは、2年間からアッカを含む大手3PLなど7~8社を招き、フルフィルメント事業のコンペを開催。約1年にわたる選考を経て、2019年にアッカと日本国内での直販フルフィルメント事業を行うことに決めた。

<大和ハウス工業の浦川常務(左)、 アッカ・インターナショナルの加藤代表>

20200203acca3 - アッカ/NIKE初の最先端自動化物流センター「The DUNK」構築

また、NIKEはアッカが所属する大和ハウスグループとも、2019年10月に戦略的業務提携を締結。NIKEが求める水準の「スピード」「フレキシビリティ」「イノベーション」を満たしたバックヤードサービスを大和ハウスグループとして提供し、NIKEの日本における事業をサポートしていく方針だ。

<アッカ・インターナショナルの加藤代表取締役>

20200203acca 520x293 - アッカ/NIKE初の最先端自動化物流センター「The DUNK」構築

アッカ・インターナショナルの加藤 大和代表取締役は「アッカの強みは、システム構築も運用も自社で行っていること。顧客が困っていることに対してソリューションを作るというアッカのビジネスモデルを、NIKEが評価してくれた。コンペでは、NIKEからありとあらゆるケースを想定した対応策を求められたが、その全てに対して彼らが思う以上の提案を出し続けられたことが勝因だったと思う」と、NIKEの選考に残った要因を説明。

また、「販売チャネルの変化や労働人口の減少による生産性の低下は、日本だけでなく世界的に起こっている問題。NIKEは、市場規模1位のアメリカや成長率1位の中国でもこれらの問題を抱えており、解決に向けたソリューションを日本のThe DUNKから生み出そうとしている。例えば、AGVのストレスチェックや、スキームがどの程度の負荷に耐えられるのか、スキームが破綻した場合のリカバリーにかかる時間などをアッカとともに検証しており、今後はThe DUNKで構築したものをアメリカや中国の拠点に展開することも視野にいれている」と、NIKEとの事業について展望を語った。

関連記事

物流施設に関する最新ニュース

最新ニュース