日通総合研究所は3月12日、第2期の内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「スマート物流サービス」の公募で、医薬品医療機器分野のスマート物流サービス実現に向けたプロトタイプのデータ基盤の構築と概念検証の研究テーマに応募し、採択されたと発表した。
<研究スキームのイメージ図>
今回の研究では、医療機器業界内で利用されている「GS1コード」と自動認識タグなどを使用し、医療機器メーカーからディーラー、ディーラーから病院へ、さらには病院内での物流について、データ等を活用して一元管理するためのデータ基盤の構築を目指す。
また、このデータ基盤を活用し、トレーサビリティを確保することで、各流通段階での在庫の削減などサプライチェーン全体の効率化や生産性向上を推進。同時に、物流拠点の集約化や共同化、共同配送の実現といった効率的な物流システムの構築や運用について実証を行う。
研究には、流通経済大学、東京医療保健大学、国立国際医療研究センターが、実証実験には日本医療機器テクノロジー協会、日本医療機器販売業協会、流通システム開発センター、米国医療機器・IDV工業会などが協力するほか、輸配送などの実証実験には日本通運が協力する予定だ。
SIPスマート物流サービスを取りまとめる田中従雅PD(プログラムディレクター)は「Eコマースの拡大やドライバー不足等から『物流クライシス』が叫ばれている今、製造・物流・販売等の事業者が連携して『物流商流データ基盤』を構築し、モノの動きや商品情報を総合的に扱うことによって、サプライチェーン全体の生産性、効率性を向上することが期待されている。『SIPスマート物流サービス』では、この期待に応えるべく取組んでおり、今回、その一翼を担ってもらうため、日通総合研究所のプロジェクトを選定した」とコメントしている。