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経団連/サプライチェーン毀損で補助等の緊急提言

2020年03月31日/SCM・経営

日本経済団体連合会(経団連)は3月30日、新型コロナウイルス対策に関する緊急提言を発表した。

それによると、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴い、企業活動や人々の日常生活は一変した。感染拡大を抑制するための移動制限や生産活動の停止は、ヒトやモノの動きを急激に停滞させ、グローバル規模のサプライチェーンを毀損するなど、世界経済に大きな打撃を与えているとした上で、この間の危機対応として、国民生活の安心・安全を担保するための政策を総動員し、官民挙げて事態の収束を図るべきであるとし、各種の対策を提言している。

そのうち、物流関連についてもさまざまな対策を挙げている。当面の危機対策のうち「雇用の維持・事業継続」では、重要物資の輸送従事者(外航船員、海外航空貨物便乗員)の隔離措置の適用除外を含めた緩和や外航船の乗員交代円滑化など国際物流機能の維持に向けた措置(国際ガイドラインの早期策定を含む)としている。

「税制支援」では、影響の大きい航空・鉄道等運輸業や観光・サービス産業等に対し、継続的な事業運営担保の観点から、固定資産税や航空機燃料税等の還付・課税の減免・課税の繰り延べを実施(納付の延長に際しては、利子税・延滞金を課さない)。

「デジタル化」では、物流ロボットの導入の補助、無人搬送車導入助成等の設備投資助成を提言。

「貿易円滑化等」では、新型コロナウイルス感染症対策として採用された貿易制限措置の早期撤廃・透明性確保に向けた各国への働きかけを挙げている。

終息後の潜在成長率に回帰するための施策展開の、「税制支援」では生産性向上に資する幅広い設備への投資に係る減税措置(税額控除・特別償却等)の創設。大企業も含め償却資産に係る固定資産税を縮減(とりわけ新規投資分)。サプライチェーンのレジリエンスを高める税制措置の創設を提言。

「地域経済の活性化」では、国産農水産物の消費拡大促進(生産基盤の強化、物流・流通網の高度化・効率化、農泊など観光等他産業との連携推進、直売所で利用可能な商品券の配布等)を挙げている。

さらに、Society 5.0の実現に向けた未来社会への投資として、デジタル技術活用による物流の省人化・最適化の推進を提言。具体的には、「サプライチェーン統合プラットフォームの早期構築」「IT投資(ロボット導入等)への支援強化」「隊列走行やドローン等革新技術実装に向けた研究開発・インフラ整備の促進」「港湾におけるAIターミナル早期実現等」を挙げている。

地域経済の活性化面ては、フードバリューチェーン構築の加速(6次産業化や技術・商品開発の推進・支援策の拡充、物流・流通網のデジタル化による高度化・効率化・生産性向上、農林水産物輸出インフラの整備等への支援)を提言している。

そして、最後に、官民挙げた取り組みの推進が必要とし、企業はこれまで政府並びに地方自治体からの要請を受けて、様々な新型コロナウイルス対策に協力してきた。今後も経済界は政府・地方自治体と共同して迅速に動くと、表明している。

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