LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





運輸審議会/「トラック標準運賃」に賛同、早期告示に期待

2020年04月02日/SCM・経営

国土交通大臣の諮問機関である「運輸審議会」は4月2日、「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示」に関する公聴会を開催した。

<左から二村委員、山田委員、牧会長代理、原田会長、河野委員、和田委員>
20200402unyu1 520x347 - 運輸審議会/「トラック標準運賃」に賛同、早期告示に期待

まず、国土交通省自動車局伊地知英己貨物課長が冒頭陳述として、「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示」についての背景と目的を説明。

働き方改革関連法により、全産業に対して時間外労働の上限規制(罰則規定あり)が2024年4月から施行される。これに伴い2018年12月に4本の柱とする「改正貨物自動車運送事業法」が成立したが、その中の一つのポイントが「標準的な運賃の告示制度の導入」だ。

トラック運送業界は中小の企業が多く、過当競争の上に、荷主に対しての運賃交渉力は弱く、必要なコスト負担もままならない状況。そこで、時限措置として2020年2月26日付けで「トラック標準運賃」を諮問。トラックドライバーの長時間労働、低賃金についての是正を図り、物流機能を維持し、事業者が健全に営業できるよう、一般産業の平均値に基づいたトラック標準運賃を算出したものだ。

<公述人として参加した全日本トラック協会の馬渡雅敏副会長>
20200402unyu2 520x360 - 運輸審議会/「トラック標準運賃」に賛同、早期告示に期待

公述では、全日本トラック協会の馬渡雅敏副会長が立ち、公述書を読み上げた。トラック運送事業者が置かれている苦しい現状を説明した後、「正式に告示される標準的な運賃はトラック運送事業者が荷主と運賃交渉を行う際に大きな後押しとなるもの」とし、国交省の「トラック標準運賃」を全面的に支持する意向を示した。また、時限措置だけに、トラックドライバーの労働条件の改善のためにも、早急に告示することを要望した。

告示された後の支援について質問された国交省伊地知課長は「この案が答申された後、告示となるが、事業者や荷主にも広く伝えるための実効的な措置を図っていく」と話した。

<運輸審議会の原田尚志会長>
20200402unyu3 520x394 - 運輸審議会/「トラック標準運賃」に賛同、早期告示に期待

運輸審議会の原田尚志会長は「5年間の時限措置なのでなるべく早急に決めたい。スケジュールはこれから検討して決める。内容的にもかなり煮詰まった感じはしている。今のところこの「トラック標準運賃」に違和感は感じていない」と話し、早急に答申がまとまる可能性を示唆した。

なお、公聴会の進行は運輸審議会の原田尚志会長の挨拶に始まり、国土交通省自動車局伊地知英己貨物課長から冒頭陳述(申請の内容と理由等の説明)、公述、運輸審議会委員による所管局への質問、国交省自動車局による最終陳述、閉会挨拶と続き、公聴会を終えた。

■一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示
https://www.mlit.go.jp/common/001330580.pdf

関連記事

SCM・経営に関する最新ニュース

最新ニュース