国際航空運送協会(IATA)は6月9日、世界の航空運送業界の財務見通しを発表した。
それによると、2020年の収益は前年比50%減の4190億ドルを見込んでおり、「財政的に航空史上最悪の年となる」としている。
新型コロナウイルスの蔓延を防ぐための国境閉鎖により、旅客の需要が減少したことが最大の要因。2020年の旅客収益は2400億ドルと、2019年の6160億ドルから大幅な減少を見込んでいる。
一方で、貨物については明るい見通しを示している。
2020年に運送される貨物の総トン数は5100万トンで前年比で103万トン減少するものの、旅客機による貨物輸送ができないことで貨物容量が大幅に不足した場合、輸送料のレートが年間30%上昇すると予測。
これにより、貨物の収益は2020年に過去最高の1108億ドル(2019年1024億ドル)に達し、業界収益の26%(2019年12%)を占めることになるとしている。
貨物収益の増加基調はその後も継続する見通しで、2021年には過去最高の1380億ドルに達し、業界全体の収益の23%を占めるようになる見通し。