SAPジャパンとビジネスエンジニアリングは5月27日、日本貨物航空(NCA)が基幹業務システム再構築にあたり、SAPが提供する「SAP S/4HANA Cloud, private edition」 をコアとした新オファリング「RISE with SAP(ライズ・ウィズ・エスエーピー)」を採用し、ビジネスエンジニアリングの導入支援のもと、2022年4月の本稼働に向けて導入プロジェクトを開始したと発表した。
RISE with SAPは、企業がインテリジェントエンタープライズに向けた変革をシンプルに進めるためのSAP製品とサービスを統合した新しい提案で、2021年1月から提供を開始している。
そのコアとなるSAP S/4HANA Cloud, private editionは、サブスクリプション型でありながら、プライベート型のクラウドアプリケーション。年1回バージョンアップの権利があり、自動化とAIを活用した最新のテクノロジーが付加され続けることで、ユーザー企業のデジタル変革を促す効果がある。
日本貨物航空では、これまで業務を円滑に遂行するためにSAP ERP上で開発してきたアドオン機能を再構築時にはスリム化することを方針として掲げているが、国際貨物航空という特性から一部は知財として残す価値があると判断し、最新テクノロジーと双方のメリットを両立して経営管理の高度化を狙えることから、RISE with SAPの選択を決定した。
今後は、ビジネスエンジニアリングを導入支援パートナーとし、2021年12月からのユーザー教育、その後のデータ移行を経て、2022年4月の本番稼働を目指している。
日本貨物航空は、2007年に「SAP ERP6.0」をベースに、グローバルスタンダードな基幹業務システムを構築。しかし、2023年のOSサポート期限および2027年のSAP ERP6.0標準サポート期限を見据えて、システムの継続利用や新システムへの刷新など現行システムの見直しを検討していく必要があることや、業務プロセスの電子化・自動化を行うことで実務者レベルの業務を削減し、高付加価値業務に向けた検討・推進リソースの捻出を求める改革ニーズが高まっていたことから、今回、システムをRISE with SAPで再構築することに決定した。