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QBIT Robotics/オフィスビルの館内配送集荷をロボット化

2021年06月01日/IT・機器

QBIT Roboticsは6月1日、森トラストと、複数メーカーの自動搬送ロボット群とロボットアームをクラウドで統合した大規模オフィスビル向け館内配送集荷サービスの実証実験を、東京都港区の「城山トラストタワー」で6月2日から開始すると発表した。

<「城山トラストタワー」での実証実験の全体像>
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実験では、実際の荷物を使って、大きさと届け先に適した自動搬送ロボットを自動選択して配送集荷を行う。また、ロボットアームが登載された専用荷物棚に小型荷物を載せると、自動搬送ロボットへ自動で積み込む。

実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス技術開発事業」の補助を受けて実施し、西濃運輸や佐川急便のほか城山トラストタワーの複数テナントが協力する。

<ロボットによる館内配送集荷サービスの運用フロー>
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運用フローについては、ロボットを効果的に利用できる手法を独自に考案し、物流事業者の館内滞留時間を最少化。テナントでの荷物受け渡しのセルフ運用化と、伝票に代わる利用者アプリ間での情報伝達を行うことで、配送集荷状況が施設外の物流事業者やテナントからもリアルタイムで把握できるようにする。ロボットを使うため、集荷依頼は30分刻みで何度でも対応する。また、物流事業者が集荷状況を施設外から確認した上で、まとめて集荷ができるようにした。

<実証実験の様子>
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QBITでは、実験開始に向けて、最適ロボット配車機能や配送集荷スケジューラを持つ「館内配送集荷基盤」を開発。ビルの施設や利用するロボットの構成、配送集荷ポリシーの組み合わせを短期間で行える館内配送集荷サービスを実現した。

また、ロボット共通の位置管理やロボットの群制御で、さまざまな業種サービスやロボット種別に対して共通となるクラウド・ロボット・アプリケーション基盤を開発し、ロボットを活用した、さまざまな業種パッケージを容易に作れるようにした。

そのほか、開発したロボットアームと自動搬送ロボットなどとの異種ロボット間連動を容易にするエッジ・ロボット制御基盤をクラウド・ロボット・アプリケーション基盤と連動させることで、さまざまなロボット活用アプリケーションの短期間での開発に成功した。

今後は、実証実験の結果を踏まえ、館内配送集荷サービスの完成度を高め、自動搬送ロボットとロボットアームを使った館内配送集荷サービスを事業化し、2021年後半からのサービス提供を目指す。

販売先は、オフィス延床面積が10万m2以上の国内大規模オフィスビルの約1600棟と、敷地面積3万m2以上の国内大規模ショッピングセンターの約400か所を当面のターゲットにする。

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