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セイノーHDほか/山口県美祢市で過疎地域ドローン物流実証実験

2022年03月08日/IT・機器

セイノーホールディングスと、山口県美祢市、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは3月8日、美祢市秋芳町嘉万・八代地区において、地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン配送実証実験を実施したと発表した。

<美祢市の半田弁天湧水を積み込み飛び立つエアロネクストの物流専用ドローン(半田弁天脇)>
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<名水で淹れたコーヒーとますバーガーの入った箱を届けて飛び去るドローン(栢木公会堂前)>
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<ドローンで届いた名水で淹れたコーヒーとますバーガー2セット>
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実証実験は、3月3日~5日に実施したもので、官民連携フォーラム「デジテック for YAMAGUCHI」の会員同士が技術やノウハウ等を持ち寄り、山口県内をフィールドとした実証実験等を行い、新たなソリューションなどの先導的事例の創出を目指す「デジテック・オープンイノベーション」に提案し採択された取組として実施。

具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub“の社会実装に向けて実施するもので、実施はドローン配送サービス事業を主体とするエアロネクストの子会社、NEXT DELIVERYが行った。

実施内容は、秋芳八代ぬくもりの里を仮設のドローンデポとし、最寄りの集会所(栢木公会堂・八代ふれあいセンター・半田公会堂)を仮設のドローンスタンドとしてドローン配送を実施し、地元住民に市内スーパーの食料品の詰め合わせセット、日用品、また防災用品等を届けた。

3月3日の報道関係者への公開ではまず、秋芳八代ぬくもりの里を仮設のドローンデポとし、片道約2.1km先の半田弁天へ向けてドローンを約5分で飛行し、そのドローンに住民がペットボトルに採水した、名水で有名な半田弁天湧水を積み込み、秋芳八代ぬくもりの里まで飛行して持ち帰った。その後秋芳八代ぬくもりの里で待機したキッチンカーにて、持ち帰った名水で淹れたコーヒーと、日本名水百選-別府弁天池-の名水で育ったニジマスを使った、「ますバーガー」のセット2名分を箱に入れ、仮設のドローンスタンドの一つである栢木公会堂まで、片道約1.2kmを約3分でドローン配送し、住民の手に届けた。名水で淹れたできたての熱々のコーヒーと、ますバーガーに感動と喜びの声があがった。

今後は、過疎地域の課題解決を目指す新スマート物流の構築に向け、住民に対するニーズ調査や最適な物流網を調査検討したうえで、将来的な構想として各社荷物等を集約化するドローンデポとドローンの着陸地点となる複数のドローンスタンドを設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービスについて段階的に開始する予定だ。

なお、美祢市では、小規模な集落が広く点在しており、商店や飲食店も少なく、また人口の約44%を高齢者が占めるなどの理由で、日常の買い物など生活利便性の維持が求められていた。また、運送業界においては、人手不足や採算性から特に過疎地域での配送維持が課題となりつつある。そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題の解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が協働して取り組む。

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