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NECファシリティーズ/YDKの物流拠点を組立加工場に改造

2022年03月24日/物流施設

NECファシリティーズは3月23日、ワイ・デー・ケー(YDK)より、同社の物流倉庫の一部を組立加工場に改造するリメイク工事を受注したと発表した。

<YDK本社(東京都稲城市)>
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<施工前>
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<施工中>
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<竣工前>
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同社は、この4月稼働に向けて新しい組立加工場の整備を進めていくとしている。

リメイク工事とは、既存の建物を他の用途に転用するために必要となる内外装の補強、防音や断熱など居住性の向上、空調や照明などの電気設備や各種配管などの見直し、および地震や火災対策などを実施するもの。リメイク工事には用途変更に伴う煩雑な法対応が必要となるものの、新しく建物を建設する場合と比べ、顧客は保有する不動産の有効活用および早期かつ低コストでニーズに合う環境を整備することができる。

YDKは1952年創業以来、半導体/液晶製造・検査装置、産業用設備、放送・伝送通信機器、制御機器などの設計・製造を一貫体制で実現しているメーカーで、国内に5工場を展開し国内大手製造業のサプライチェーンにも多数組み込まれている。

新型コロナウイルスの感染拡大により加速した世界的な半導体市場の活況から得意先への供給体制強化と物流の効率化を目的に、YDKは東京都内に所在する物流拠点を組立加工場に改造し、本社工場内の同機能を移転する構想を検討していた。

このような要望を受けてNECファシリティーズは、具体的なプロジェクト計画の立案と実行スキームの構築、設計から工事までをワンストップで実行した。

改造の特徴的なことは、顧客のリスクを低減し費用対効果を最大化するアットリスク型CM方式を採用。アットリスク型CM方式では、高度な専門技術を持った同社のコンストラクション・マネージャーが顧客の立場に立って品質、コスト、スケジュールなどを戦略的にマネジメントするとともに施工上のリスクを同社が負うため、顧客には安心して同社に一任してもらった。

CM方式の主なメリットは、「分離発注によるコスト低減とVE(Value Engineering)提案」、「建設コストの妥当性評価と費用構造の見える化」、「集中購買による価格折衝と抑制」、「適正な工程管理、安全管理、品質管理、リカバリプランニング」。

また、設計にあたり、単なる建屋・設備のリメイクではなくサプライチェーンの重要拠点であることを大前提に、同社が培ってきた半導体工場の設計技術をベースに重要な要素を反映した。

それは、「新しい組立加工場で製造される製品の品質とデリバリを最優先とした設計(作業導線とレイアウト、物流導線、電源容量、建屋内の除湿と圧縮空気配管など)」、「従業員の作業効率と居室空間としての快適性への配慮(照明、空調、騒音、振動、臭気対策など)」、「環境配慮(外壁の断熱、LEDや省エネ機器の採用、低天井化による空調効率の向上など)」、「供給体制の更なる増強/物件解約時の原状回復を見据えたフレキシブルな設計(壁、内壁、床、窓など補修範囲の最小化、オーナー企業との折衝など)」。

さらに、NECグループ・製造業の顧客の工場施設運営やBCP立案の実績、また不動産事業も営む同社ならではのノウハウを生かし、倉庫の一部を組立加工場(作業居室化)へ転用するために必要な建築基準法や消防法などの法制度対応に向けて、様々な点を計画に織り込んだ。

それは、「採光、換気、排煙、消火設備や非常用照明装置の設置基準の確認と対策」、「直通階段や避難経路の設置の確認と対策」、「その他工場立地法、倉庫業法等の関係法令の遵法確認」で、また、自治体や消防局との協議・折衝などもYDKと同社が協働して実施した。

今回NECファシリティーズは、同社の保有する高度な工場設計技術・知見、建設工事に関する法制度対応のノウハウを高く評価され、採用された。今後同社は、需要拡大による組立加工場エリアのさらなる増強含め、YDKの事業拡大支援に向けた様々な提案を行う計画としている。

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