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ヤマト運輸/日本ミシュランの物流を一元管理、再構築へ

2022年09月15日/SCM・経営

ヤマト運輸は9月15日、日本ミシュランタイヤの国内物流体制を円滑で強固に再構築するため、同14日付で同社とリードロジスティクスパートナー契約を締結したと発表した。

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ミシュランのサプライチェーン全体を変革し物流と在庫を最適化することで、将来的な総ロジスティクスコストの削減や出荷リードタイムの短縮を実現し、顧客満足度の向上につなげる。9月から一部で運用を開始し、2023年1月10日からの本格始動を予定している。

物流改革共同プロジェクトでは、ミシュランの物流体制をヤマト運輸が一元管理し、物流の標準化・自動化・最適化を促進することで顧客利便性を高めながら、温室効果ガスを可視化・削減し、環境負荷のより少ない持続可能な物流を実現する。

<約20拠点ある日本ミシュランタイヤの倉庫を5拠点に集約>
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具体的には、約20拠点ある倉庫を5拠点に集約。各拠点の在庫を可視化・最適化し、東西の中央倉庫から地域倉庫への在庫転送量の極小化を実現するとともに、ヤマト運輸の法人向けミドルマイルネットワークなどを活用し、まずは従来と同様の配送リードタイムを実現する。同時にScope3の温室効果ガス排出量を削減する。

また、ヤマト運輸の輸配送管理システムを活用したオーダートラッキングによって顧客の注文ごとの配送状況をトレースし、ミシュランコールセンターでの迅速な案内を可能にする。

ヤマト運輸のデジタル送り状を採用することで、業務効率化とペーパーレス化を促進。複写式の伝票を廃止し、汎用的なA4用紙を使用することで、省資源化を進める。

ヤマト運輸の倉庫管理システムで、全ての在庫タイヤの製造年度を1本単位で管理し、FEFO(使用期限が近い製品から先に出荷)を実現。期限切れによる処分を極小化することで環境問題に対応する。

また、ヤマト運輸とミシュランは今後、RFIDを活用したDX化も促進。製造過程でタイヤに付帯するICタグを倉庫運営に活用し、タイヤ1本単位の年度管理に加え、生産国の識別などを容易にし、顧客のニーズに応える。さらに、荷受け・ピッキング・出荷作業・棚卸などの倉庫内作業を省人化し、生産性の向上を目指す。

将来的には、ヤマト運輸の輸配送管理システムと、ミシュランのシステムを連携させ、注文したタイヤの配送状況を顧客が確認できる仕組みの導入も検討していく。

両社は、政府が目指す2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを互いに積極的に進めており、お互いを地球や人の持続可能性に対するビジョンを相互に共有できるパートナーであると判断し、今回の物流改革共同プロジェクトをスタートした。

物流改革共同プロジェクトについて、日本ミシュランタイヤの須藤 元 社長は「海外の生産工場から販売店までのサプライチェーン全体を最適化し、顧客満足度の向上を目指す。ヤマト運輸とともに物流のカーボンニュートラルを実現するほか、現在50%のE-オーダー比率を2025年には70%まで引き上げ、業務効率化も図っていく」とコメント。

ヤマト運輸の恵谷 洋 専務執行役員(法人営業・グローバル戦略 統括)は「ミシュランのリードロジスティクスパートナーとして、サプライチェーン変革に向けて伴走し、当社の拠点・輸配送ネットワークなどを最大限活用することで、サプライチェーン上の物流と在庫の最適化を図っていく。また、2050年カーボンニュートラル実現を目指す両社が協調・協力することで、物流によるサステナブルな社会づくりにも貢献していく」とコメントしている。

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