ドローン事業を手がけるNEXT MOTIONは10月19日、徳吉薬局、トルビズオン、エアロセンスとともに、鳥取県・鳥取市の協力を得て、災害発生による道路寸断を想定したドローンによる医薬品・防災用品空路輸送の実証実験を同日に実施したと発表した。また、同実験を機に、一級河川上空を軸としたドローン航路網の構築に向けた検討を開始した。
実証実験では、鳥取県沖を震源とする震度6の地震が発生したことを想定。鳥取市役所の近隣を流れる一級河川「千代川」の上空を飛行ルートに設定し、河川敷から災害時避難所に指定されているAxisバードスタジアムまでの5km(飛行時間10分)をドローンが飛行して、緊急医療材料とAEDを搬送した。
実証実験は、鳥取県の補助金「鳥取県デジタルグリーン物流推進補助金」の対象事業で、将来的には非対面による医療の提供体制への対応が目的。処方箋の電子化などと組み合わせて医薬品をドローンで配送するなど、医療のデジタル化につなげる。また、中山間地域等への医薬品の迅速な配送を進めていく足がかりを作ることや、医薬品以外のさまざまな物資を配送することで、次世代の配送業務の構築を目指す。また、ドローン配送を活用することで脱炭素社会の実現を目指し、将来見込まれるドライバー不足や過疎地域への配送など社会課題の解決も合わせて検証していく。
実証実験は2回実施する予定で、1回目の今回は医薬品や救急用品を主眼とした短距離輸送を検証。2回目は、VTOL機(垂直離着陸機)を使用した医薬品・食料品の長距離輸送を検証する予定だ。これらの飛行試験を通じて、課題や採算等を含めた実現性を検証すると同時に、地域に向けたドローンに対する社会受容性を高める活動を継続していく。
■実証実験概要
日時:10月19日
搬送物資:AED、第2類医薬品、医療材料
実験内容:災害発生による道路寸断を想定した、医薬品・防災用品の空路輸送
実施体制:【主催】徳吉薬局、NEXT MOTION
【協力】鳥取県、鳥取市
【プロジェクトアドバイザリー】トルビズオン
【機体提供・運航管理】エアロセンス
【撮影協力】RUSEA(地域再生・防災ドローン利活用推進協会)
使用機体:エアロセンス製 「AS-MC03-T-Box」
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