センコーは10月21日、Telexistence(TX)製ロボットソリューションの導入に向けた実証実験をセンコーの物流施設で同日に実施したと発表した。
<センコー西関東ロジスティクスセンターでの実証実験(10月20日撮影)>
実証実験では、TXの独自AIシステムによる自動制御と人による遠隔操作の「ハイブリッド制御ロボット技術」を核としたTX製ロボットソリューションの特徴である、マルチタスク性とマルチロケーション性について検証した。
マルチタスク性については、1台のロボットで「パレットからコンベアへの投入作業」と「パレットからカートラックへの積み付け作業」を実施。また、マルチロケーション性については、周辺環境の情報を事前に登録することなく、作業ごとに異なる場所で稼働できることを実証した。
マルチタスク性とマルチロケーション性を兼ね備えたロボットソリューションが確立されることは、大型自動化設備の採用が難しいとされる既存物流施設や中規模物流施設への導入を可能とし、人件費高騰や慢性的な人手不足が深刻化する物流業界の課題解決につながる。
実証実験に使用したロボットソリューションでは、複数種類の手荷役を異なる作業場所で行うために必要となる周辺環境情報の登録を遠隔操作オペレーターがリアルタイムかつ簡易に実行するための独自アプリケーションや、対象物や把持点の認識、動作計画生成など、コンベア投入とカートラック積み付けに係る一連の動作を自動制御するための独自AIシステム、把持面にミシン目のあるケースや強度の弱い素材が使われたケースにも対応した独自ロボットハンドを開発・採用している。
TXは今後、混載パレットのコンベア投入など複雑な手荷役への対応や動作速度の向上などを行い、2023年にはセンコーの物流施設で、実際の業務に自社のロボットソリューションを組み込んだ試験運用の実施を予定している。
センコーは、2014年に新設した物流拠点にデパレタイズアームロボットを導入し、以降もAGVなど省人化・省力化機器の導入を積極的に推進している。今回の実験では、既存の物流施設でロボットを複数の作業場所に移動させ、人に代わってさまざまな手荷役作業を、環境に応じて的確に業務遂行できるのか検証した。今後も先進技術の導入を通じて、作業者の負担軽減や作業時間短縮によるワークライフバランスを図り、人手不足などの物流現場の課題解決につなげるとしている。
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