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日本郵便/DX本格運用の次世代型郵便局、千葉県市川市に開局

2023年02月01日/物流施設

日本郵便は2月1日、千葉県市川市に開設予定の新たな地域区分郵便局「市川南郵便局」の開局式典を開催。同局の内部を報道陣に初公開した。

<市川南郵便局が入居する三井不動産の物流施設「MFLP市川塩浜II」>
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<開局式典>
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市川南郵便局は、千葉県北西部エリア(郵便番号上2桁が27の地域)の郵便・ゆうパックの区分業務を一括して担う地域区分郵便局。

三井不動産が開発したマルチテナント型物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)市川塩浜II」の1階全体、4万3000m2を賃借し、2月13日に開局を予定している。

現在、同エリアを受け持つ松戸南郵便局(千葉県松戸市)から地域区分局の機能を移転するほか、同エリア内にある17か所の郵便局から内務作業を集約し、最新設備によって業務を効率化。1日あたり230万通の郵便物と8万個の荷物を処理する。

<日本郵便 衣川社長>
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日本郵便は、中期経営計画「JPビジョン2025」で郵便・物流オペレーションのDX推進を掲げ、地域区分局の内務作業と輸送ネットワークにフォーカスした新しいオペレーション基盤の構築に向けた準備を進めてきた。市川南郵便局は「DXの本格的な運用に対応したトップランナー、今後のDX展開の起点となる重要拠点」(日本郵便 衣川社長)として位置付けている。

<AGVによるカゴ車の自動搬送>

<駐機場にズラリと整列したAGV>
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具体的な取り組みとしては、トヨタL&F製のAGV(無人搬送車)「KEY CART(キーカート)」を59台導入し、これまで人手で行っていたカゴ車の構内搬送を自動化することで、内務作業の全体の2割を占めている同搬送作業を省人化した。AGVは1台で複数のカゴ車(最大1トンまで)を牽引して搬送することが可能。AGVについては、これまで都内の郵便局で試行を進めており、市川南郵便局で初の本格導入となった。

<新型の小包区分機(フィブイントラロジスティクス製)>

<AGVの走行ルートを確保するため、区分機を高床化した>
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小包区分機は、新型を採用。1時間あたり1万8000個を処理できる。

従来の小包区分機は、1つのシュートに複数の宛先の荷物が仕分けされていたため、二次的な仕分け作業が必要だったが、今回導入した新型では1シュートにつき1つの宛先となるようシュートを多数設置してある。また、シュートの長さを5mから11mに延長したことで約20倍の荷物を蓄積できるようにし、区分作業の効率を向上させた。

<書状区分機(東芝インフラシステムズ製)>
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<フラットソーター(NEC製)>
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<パケットソーター(東芝インフラシステムズ製)>
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このほか、小型の郵便物を区分する書状区分機(1時間あたりの処理能力3万通)を11台、大型の郵便物を区分するフラットソーター(3万2000通)と小型の荷物を区分するパケットソーター(1万1000個)を各1台導入し、千葉県北西部エリアの各郵便局に散在していた機能を市川南郵便局に1拠点化し、効率化を図った。

さらには、各区分機やAGVの稼働状況などを一元管理できる制御管制システム(日立製作所製)を初めて導入し、構内作業を可視化。また、トラックの位置情報や積載情報をリアルタイムに把握できる輸送テレマティクスシステムを導入(こちらも初導入)し、局側の事前準備を効率化した。両システムでは将来的に蓄積したデータを分析し、AIを用いたオペレーション変革に取り組む予定だ。

これらDXの取り組みについて、日本郵便の衣川社長は「今後も引き続きロボティクス化を推進し、仕分け情報の配達分野への活用やAIによるマネジメントの高度化など、デジタル技術の積極的な活用によってDXのさらなる深化を図り、競争力のあるオペレーションへの変革に向けて取り組んでいく」と語っている。

<市川南郵便局でのDXの取り組み>

■「市川南郵便局」概要
所在地:千葉県市川市塩浜1-12(三井不動産ロジスティクスパーク市川塩浜II 1階)
床面積:4万3000m2
開局日:2月13日(予定)
主な業務:千葉県北西部(郵便番号上2桁が27の地域)の郵便・ゆうパックの区分業務

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