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CBRE調査/2024年問題で物流企業の36%が中継拠点の新増設検討

2023年06月15日/調査・統計

CBREは6月15日、特別レポート「物流施設利用に関するテナント調査2023」を発表した。

同調査は、3月2~15日にかけて、国内で物流施設を利用する企業を対象に実施したもの。有効回答数は280で、内訳は物流企業が187、荷主企業が93となっている。

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調査結果によると、今後3年間の物流拠点計画について、倉庫の総面積を「拡大する」とした回答は全体の57%を占め、2022年(59%)に続き旺盛さが伺えた。

一方で、拠点数については「拡大する」とした回答は全体の37%と、前年の47%から減少。同回答の割合は物流企業が46%、荷主企業が16%と、荷主企業の割合が低くなっており、また、荷主企業の回答では拠点数を「同等」とした回答が47%と多数を占めた。

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倉庫面積や拠点等の計画についての背景や理由を聞いた設問では、物流企業、荷主企業ともに「事業の拡大」を挙げる回答が最も多かった。特に物流企業では70%を占めている。

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今後3年間で物流拠点計画を実現するための手段を聞いた設問では、「マルチテナント型の賃借」を物流企業の63%、荷主企業の43%が選択。「BTS型の賃借」とする回答は物流企業の19%、荷主企業の15%が選択しているが、いずれも2022年の34%、21%から低下した。

また、荷主企業の22%が「3PLに委託」を選んでおり、先の設問で物流企業による事業拡大への意欲が高い背景には、こうした荷主企業の意向も関連しているようだ。

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物流拠点戦略でどのような立地を希望するかを聞いた設問では、「都市圏内の物流集積地」とする回答が61%で最多となった。次点は「都市圏内の郊外」。3番目に多かった回答は「地方都市、中継地点」で、2024年問題を目前に控え、長距離輸送の課題解決に向けた対策が志向されていることが伺える。

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都道府県別に具体的な希望エリアを聞いた設問では、首都圏や近畿圏などの大都市圏に回答が集中するなか、九州の各県を希望する割合が高まった。特に福岡県は物流企業による増加幅が大きく、2022年が14%だったのに対して2023年は20%となった。なお、TSMCの新工場が建設される熊本県を挙げる回答は、物流企業が7%、荷主企業は4%(それぞれ前年は2%)となっている。

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2024年問題への対策について聞いた設問では、「他の運送会社との提携」や「共同配送」によって積載率を上げることで効率化を図ろうとしている企業が多数を占めた。

また、物流企業では「ドライバーの増員」を選択した回答が37%、「中継拠点の新設、増設」が36%、「自動運転やダブル連結トラックの活用」が16%あった。

対策の実施状況については、物流企業の62%が何らかの実施段階に入っているのに対し、荷主企業では「検討しているがまだ実施していない」「これから検討する」が合わせて54%を占め、対策の遅れが浮き彫りとなった。

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テクノロジーの導入状況については、「倉庫管理(在庫管理)システム」を挙げた回答が最多で、67%が導入している。「仕分け搬送システム」は35%が回答し、2022年の29%から利用が拡大した。

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