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日本GLP/食品加工やクレーンゲームなど倉庫の新用途創出

2023年07月05日/物流施設

日本GLPは7月4日、千葉県流山市で大規模物流施設「GLP ALFALINK 流山」を全体竣工。これに合わせて、同施設に入居するテナント企業の現場を公開した。

このたび公開されたのは、セブン&アイグループで食品加工を手がけるPeace Deli(ピースデリ)のプロセスセンターと、アンテポストのオンラインクレーンゲームセンター兼倉庫の2拠点。

<Peace Deliが入居するGLP ALFALINK流山5>
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Peace Deliが「GLP ALFALINK 流山5」1階に開設したプロセスセンター「流山キッチン」は、今年3月に開設した精肉・鮮魚製品の加工拠点。

約8000m2のスペースに事務所や精肉および鮮魚の加工スペース、冷凍・冷蔵の各保管庫などを整備しており、イトーヨーカ堂とヨークの首都圏約200店舗に供給する商品の最終加工やパック詰めなどを実施。各店舗のバックヤード業務を集約し、効率化を図るために開設した拠点だ。

<流山キッチンの見取り図>
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<各区画の間を仕切るシート状のシャッター>
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<鮮魚の加工ライン>
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<機械でスライスされた豚肉をトレーに盛り付ける工程>
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<異物を検知するX線検査装置>
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<排水溝が設置された床面>
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施設内は工程ごとに厳密な区画分けが施されており、衛生管理と温度管理が徹底された環境が構築されていた。また、肉や魚のスライス~パック詰めまでの工程は機械化されており、従業員との協働によって生産性の向上が図られていた。

同施設で加工された商品は、GLP ALFALINK 流山5の隣接区画にあるイトーヨーカ堂の配送センターへとコンベアーで搬送され、各店舗へと出荷される。物流拠点に加工工場を併設したことで、拠点間配送が省力され、出荷スペースの削減やリードタイムの短縮、業務効率化を実現した。

<アンテポストの拠点が入居するGLP ALFALINK 流山8>
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続いて紹介されたアンテポストの拠点は「GLP ALFALINK 流山8」の3階に所在している。同拠点は同社が運営するオンラインクレーンゲームサービス「クラウドキャッチャー」を提供するためのもので、約2600m2のスペースにクレーンゲームの筐体170台が並ぶスペースや、8000種類の景品が置かれた保管エリア、出荷エリアなどが整備されている。

<クレーンゲームが並ぶ倉庫内(中央がアンテポストの佐々木代表)>
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<景品の保管スペース>
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オンラインクレーンゲームは、スマホなどからオンラインで遠隔地にある筐体を操作し、獲得した景品が後日自宅などに配送される。コロナ禍の巣ごもりを機に需要が拡大し、現在、国内に約20のサービス提供事業者が存在する。アンテポストはそのうち上位5社に入る事業規模の企業だ。

従来、同社は東京都葛西に拠点を構えていたが、事業規模の拡大に向けて2021年10月にGLP ALFALINK 流山8へ拠点を移している。移転に際しては、1フロアでのオペレーションを可能にするための規模感や、事業拡大に合わせた拡張性、また、24時間365日稼働するサービスを運営するにあたっての従業員雇用のしやすさ、配送事業者との近接性などを考慮した。

なお、同社はさらなる事業拡大に向けて、同拠点をGLP ALFALINK 流山でこのたび竣工した最終棟である「GLP ALFALINK 流山4」へ8月に移転する予定。移転によって床面積を6600m2に拡張し、クレーンゲーム筐体の数も1.5倍に増やす計画だ。

<GLP ALFALINK 流山>
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GLP ALFALINK 流山を含むALFALINKシリーズでは、テナント企業同士の共創や地域との共生の場となる「Open Hub」、商品の企画から配送までサプライチェーンの全てを統合する「Integrated Chain」、最先端ソリューションや人材等を支援する「Shared Solution」の3つをキーワードに掲げており、このたび公開された2社による物流施設の新たな使用方法は、このうちの「Integrated Chain」によって実現した事例だ。

Peace Deliのプロセスセンターが入居するGLP ALFALINK 流山5は、工場として使用できるように流山市から施設用途の許認可を取得して開発されており、生産と物流が一体になった拠点の構築を可能にした。アンテポストのケースでは、GLP ALFALINK 流山やその近隣にある物流事業者のターミナル機能を活用することで、配送の効率化を実現している。

こうした物流施設の新しい使用事例について、日本GLPの帖佐 義之社長は、「今回のケースで、サプライチェーンの在り方に大きなインパクトを与えられるということが分かった。今後は物流だけの機能に留まらず、工場機能などサプライチェーンの川上へと物流施設の用途がどんどんと広がっていくのではないかと思っている」と見解を述べた。

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