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ラピュタ/自動フォークリフトで国内シェアの半数取得目指す

2023年07月11日/IT・機器

ラピュタロボティクスは7月11日、同社の平野オフィス(東京都江東区)で、今年4月に発売した「ラピュタ自動フォークリフト」のデモンストレーションを公開した。

<ラピュタ自動フォークリフトのデモンストレーション>

デモンストレーションでは、2台の自動フォークリフトを使用。1台が仮置き場からパレットを搬送し、コンベアへ投入。コンベアに投入されたパレットをもう1台が受け取り、別の仮置き場へと搬送する工程が披露された。

この工程は、複数階層にまたがった倉庫でトラックバース階にある仮置き場から垂直搬送機を経由し、上下階の仮置き場へとパレットを搬送する、または平屋倉庫でベルトコンベヤーへパレットを投入・排出するといった、現状で想定されるラピュタ自動フォークリフトの運用方法を模したもの。

この運用方法では、1時間あたり最大30枚のパレットを搬送することが可能で、ラピュタロボティクスは夜間などオペレーターの確保が困難な現場での利用を見込んでいる。

今後は、仮置き場から保管棚への搬送と、棚入れ・棚出しの機能を開発中で、2024年半ばにも提供する予定だ。なお、トラックへの荷上げ・荷下ろしについては、条件の複雑さなどを理由に現時点での開発の予定はないとしている。

<ラピュタ自動フォークリフト>
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ラピュタ自動フォークリフトは、三菱ロジスネクストのリーチ型フォークリフトに、ラピュタロボティクスが開発した自動運転のためのソフトウェアとセンサーを搭載した製品。

クラウドロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」をコアにして動作し、同プラットフォームに設定したフロアマップと機体の全3か所に取り付けたLiDARセンサーによって自己位置を高い精度で推定できるため、従来の自動フォークリフトで必要だった床面への反射板や磁気テープなどの施工が不要で、最短2か月で現場に導入することができる。

大きさや厚さ、材質などが異なるさまざまなパレットに対応でき、一回の充電で最大8時間程度の稼働が可能。メンテナンスはハード面を三菱ロジスネクストが、ソフト面をラピュタロボティクスが担当し、国内大手メーカーのサービス網と、ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」で構築したサポート体制によって、機体の安定稼働を支援する。

<ラピュタ自動フォークリフトの使用例>
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自動フォークリフトは、納期の長さと費用対効果がネックとなり、国内全体での販売台数は年間300台程度と、フォークリフト全体(8万台)の1%にも満たない。

ラピュタ自動フォークリフトでは、現場工事を不要にすることで短納期での導入を実現。また、主なコスト要因であるセンサーの設置数を最適に抑えたことで、安全性を担保しつつコストを引き下げ、これらの課題を解消した。ラピュタロボティクスは、具体的な価格は開示していないものの、5年程度での投資回収が可能と説明している。

現在、ラピュタ自動フォークリフトについては、鈴与や安田倉庫など複数の企業が本導入を見据えた試験導入を行っている。ラピュタロボティクスでは、今後もユーザー数を増やし、数年内にも自動フォークリフトの国内シェア約半数の取得を目指すとしている。

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