NEXT DELIVERY、エアロネクスト 、セイノーホールディングス、北海道上士幌町は12月12日、国交省が新設したドローン飛行レベル「レベル3.5」の飛行承認を同月8日に受け、上士幌町で日本初となる「レベル3.5」でのドローン配送事業を同月11日に実施したと発表した。
＜北海道上士幌町でのレベル3.5ドローン飛行＞
レベル3.5では、デジタル技術の活用（機上のカメラによる歩行者等の有無の確認）によって、レベル3で必要だった補助者や看板の配置といった立入管理措置が撤廃される。また、無人航空機の操縦ライセンスの保有と保険への加入により、道路や鉄道等を横断する際の一時停止が不要になる。これらにより、ドローンの運用コスト削減と業務の効率化が可能になり、ドローン配送の事業化への障壁を下げる効果が期待されている。
今回、上士幌町では、レベル3.5によるドローン配送の運航を2本実施。ドローン配送には物流専用ドローン「AirTruck」を使用し、運航管理は有資格者が山梨県小菅村のNEXT DELIVERYオフィスから遠隔で行った。
＜1本目の運航概要＞
1本目の運航では、「かみしほろシェアオフィス」からハンバーグレストラン「トバチ」まで往路約8.5kmを16分で飛行し、レストランでハンバーグ弁当を集荷。その後、復路8.5kmを16分かけて戻り、シェアオフィスを利用する顧客に弁当を届けた。
レストランでは機上のカメラで着陸地点の安全をリモートパイロットが確認したうえで、補助者なしで着陸し、レストランのスタッフが弁当をドローンに格納した。
ルート途中では、機上カメラから安全を確認し、国道を横断する際に一時停止することなく配送を行った。
＜2本目の運航概要＞
2本目は、「かみしほろシェアオフィス」から片道約4.9km離れた個人宅まで新聞を配達。ドローンは、往路で4.9kmを9分で飛行し、新聞を配達した後、シェアオフィスまで戻り往復飛行した。受取り側の個人宅では、機上のカメラで安全を監視することで、補助者なしでの置き配を実施した。
レベル3.5の新設については、11月17日に開催された「規制改革推進会議」の第1回スタートアップ・投資ワーキング・グループの部で、国土交通省がドローンに関する規制緩和と今後の方針の説明内で触れられたもので、年内に実施開始予定と発表されていた。
エアロネクストとNEXT DELIVERYは、セイノーHDと共同で、地域課題の解決に寄与するドローン配送と陸上輸送を融合した「新スマート物流SkyHub」を推進しており、上士幌町を含む全国9自治体で、社会実装フェーズに入っている。今回の実施を皮切りに、これらの自治体で順次レベル3.5飛行を開始し、社会実装のスピードを加速化していくとしている。
