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ANA、ロジレス/航空便とDXを組み合わせ、物流2024年問題対応

2024年02月27日/3PL・物流企業

全日本空輸(ANA)とロジレスは2月27日、空輸と DX(デジタルトランスフォーメーション)を連携させることにより、物流の2024年問題に対応する「早く」「安く」「ムリなく」輸送する効率的なEC(電子商取引)物流を構築したと発表した。

<コンテナ積載の様子>
20240227ana1 - ANA、ロジレス/航空便とDXを組み合わせ、物流2024年問題対応

この連携により、物流の2024年問題でEC事業者の翌日配送ができなくなった主に関東地区発、中国・四国地方の岡山以西への配送を、翌日配送可能とし、さらには、今まで翌日配送が難しかった九州地区全域(島嶼部除く)までも配送可能とした。

従来はEC事業者の担当者による受注処理を経た後に出荷指示が倉庫に送られていたため、倉庫にデータが届くまでに時間がかかっていた。さらに出荷のタイミングで配送手段を選別する必要があり、航空便を活用しようとしても、最も早いタイミングで翌日早朝便への搭載となっていた。

<オーダーから飛行機に搭載されるまでの流れ>
20240227ana2 - ANA、ロジレス/航空便とDXを組み合わせ、物流2024年問題対応

今回、ロジレスによる物流DX推進により、顧客からのオーダー、倉庫における発送作業、最終的にはANAの飛行機の貨物空きスペース活用がシステムで一括管理され、輸送までのプロセスが簡素化されることにより、航空便搭載までのリードタイムが最大で4時間短縮される。結果として、日中の国内線定期便の出発の間際まで荷物を受け付けることができるようになり、日中の飛行機の貨物空きスペースを活用することが可能になった。

「LOGILESS」を活用する多くのEC事業者、倉庫事業者がこのサービスを利用することで、コンテナに複数の事業者の荷物を混載できるようになり、積載効率を向上させることができる。これにより従来のトラック輸送と比較し、同等もしくはそれ以下の輸送単価に抑えることができる。実例をもとに、EC事業者が関東から九州に配送する際のコストをシミュレーションしたところ、ロジレス便を活用した場合は現状のトラック輸送と比べて約2割の費用削減が実現可能という試算結果となった。

2024年 4月1日より、ANA羽田発岡山行き定期便を活用した輸送にて、一部のEC事業者、倉庫事業者を対象にサービスを開始する。その後、今秋を目途に全事業者に対象を拡大することを予定している。更には、東京から岡山への航空便に留まらず活用範囲を拡大し、日本全国への翌日配送を目指す。

なお、ロジレスが提供するEC自動出荷システム「LOGILESS」は、OMS(受注管理システム)と WMS(倉庫管理システム)が一体型となっているという特性から「受注情報を人の手を介することなく倉庫側と共有」が可能となっている。この取り組みでは、倉庫事業者が、日中の早い時間帯に関西以西に向かう荷物を選別し、データを後続の輸送モードと連携し、遅滞なく受注情報を各所につたえることが重要となっており、「LOGILESS」の優位性を活かした取り組みでもある。

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