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KDDI等6社/医薬品のドローンポートによる授受管理を実証

2024年02月27日/IT・機器

KDDI、KDDIスマートドローン、JAL、ウェザーニューズ、メディセオ、JR東日本の6社は2月27日、東京都江東区豊洲でドローンポートを活用した医薬品授受管理の実証実験を同月13~22日にかけて実施したと発表した。

<実証実験の様子>
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実証実験は、東京都の「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に基づき、都内でのドローン物流サービスの早期の社会実装を目指すもの。2023年度は、6社で構成されるコンソーシアムによって国内初のレベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)飛行での医薬品配送を2023年12月に東京都西多摩郡檜原村で実施している。

今回の実証実験では、ドローン物流サービスの社会実装と普及の拡大に向けて必要となる、「配送物の安全で確実な授受」と、「授受管理の省人化による利便性向上」などを実現するため、荷物の格納が可能なドローンポートを用いた離着陸場所を医療機関に隣接した場所に構築し、ドローンによる医薬品輸送サービスに求められる離着陸時の安全確保や、配送物の授受管理の利便性について検証を行った。

<ドローンポート運用の流れ>
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ドローンポートには、IHI運搬機械製の高さ2.4m、幅2m、奥行き4.8mの機器を使用。実証実験では、ドローンがポート上部に着陸し、荷物を切り離して離陸すると、ドローンポートが自動で荷物を格納し、病院の担当者へ荷物到着メールを送信。担当者が受信メールに記載されたパスワードをポートに設置された液晶パネルに入力し、荷物を取り出した。

<実証実験を視察する病院関係者>
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実証期間中は、東京都病院薬剤師会会長の聖路加国際病院・後藤医師をはじめとした病院関係者約40名が現場を訪れ、ドローンポートを用いた医薬品輸送を体験した。

体験者の多くからは「ドローンポートを省スペース化し、病院の屋上など院内に設置してほしい」というコメントがあったほか、後藤医師からは、「医薬品を受け取るだけではなく、病院からの発送も可能になれば、薬の返品もできるのに加え、緊急時の病院間での医薬品の融通も期待できる」、「ドローンポートを利用して夜間にも医薬品の配送が可能になると、病院と医薬品卸会社の双方で人員が少ない時間帯の省人化につながる」などの提言があった。

同コンソーシアムは、今回の実証実験で設置場所に適したサイズのドローンポートが求められていること、ドローンポートとドローン間のシステム連携が必要であること、高精度な着陸やより多くのペイロードを運搬できるドローンが求められていること等、社会実装に向けた課題や期待を把握しており、これらを汲み取って、将来の都内での医薬品輸送サービスの実現を目指す。

2024年度には都心部でのレベル4飛行を見据えた長期的なドローンのサービス実証を予定しており、将来的にはドローンを活用したまちづくりの実現に向けて、物流をはじめとする多様なサービスの展開を目指し、実証を進めていくとしている。

■実証実験の概要
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■コンソーシアム各社の役割
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