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物流改革Platform/ROMS最適モデルが現場を変える

2024年04月08日/IT・機器

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2019年に設立した「ROMS(ロムス)」。物流・小売り・EC・製造まで幅広い事業者が利用可能なソリューションを提供している。その特徴は、ほぼ全てを自社で開発・設計・製造し、小型ながら高機能・高密度なこと。機器の追加・拡張性にも優れ、大手企業だけではなく、中小企業にも導入のメリットが高い最適化されたソリューションを生み出している。同社の平和島ラボで実機を見ながら前野洋介社長に解説してもらった。

<前野洋介社長>
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見学可能な平和島ラボ
小型・高機能が訴求点

京浜急行平和島駅からバスで5分程度の平和島競艇場の近くの倉庫街の一角に「ROMS平和島ラボ」がある。2023年1月に開設したROMSソリューションのラボとして機能しているが、もちろん事前予約制ながら見学も可能だ。

ラボ内には同社の自動化ソリューションが所狭しと並んでいる。「これまでの自動化ソリューションは大きくて高価、そして使いづらい点もあったと思います。それを解消したいと考え、小型・高機能なソリューションを自社開発し、大企業だけでなく、中小企業にも最適なソリューションを導入できる提案を行っています」とROMSの前野洋介社長は特徴を端的に語った。

その一例が、設置スペースだ。同社の自動倉庫ソリューションは100m2から500m2程度のスペースに最適化しているという。「元々30m2から設置できる小型無人店舗の開発から始まった会社なので、狭小スペースでいかに保管量と能力を担保するかが我々のコア技術です」と前野社長は話す。同社のメインソリューションの一つで、自動倉庫・ロボットピックを組み合わせた業界最高効率の小型自動倉庫「NFC(ナノ・フルフィルメント・センター)」は100m2から設置可能だ。天高を最大限活用することで、中軽量棚での保管と比べ最大85%ものスペースが縮小され、都心部等の賃料が高い場所にも最適だ。

<NFC>
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このNFCは、保管量、搬送能力、有効面積、柔軟性、費用等、顧客の要望に応じて、最適なモデルを選ぶことができる。このうち、保管量が最も優れたシステムが「クレーンモデル」。高さを使った小型化および能力、保管密度を求めたモデルだ。このほかにも柔軟性を求めたグリッド式AGVモデルや、大型化および高能力を求めたシャトルモデルも提供する。

また、NFCの特徴としてハイブリッド稼働がある。日中はGTP(作業者の前までアイテムが運ばれて、作業者がピッキング)、夜間はGTR(ロボットの前までアイテムが運ばれ、ロボットがピッキング)で稼働し、人の働けない時間帯もオーダーを処理し続けることで処理量を最大化できることが大きな利点だ。

このロボットピッキングシステムもROMSが自社開発しており、最大1000ピック/時というレベルの処理能力を実現している。独自のビジョンシステムとリアルタイム計算で、アイテムの事前登録無しでのサイズ計測と高度な整列配置が可能だ。ワーク、重量、サイズに応じた搬送速度調整による確実で安全なハンドリングを前野社長は「画像認識AIビジョンシステムを採用し、事前のアイテム登録が不要のマスターレスです。独自の学習データに基づき高精度な物体認識を実現し、自己学習を通じて認識精度の深化と拡張が可能です」とピッキングの優秀さを強調した。

そのほか、温度帯管理面では、常温はもちろん、低温、冷蔵に対応可能。さらに、費用が高額化するものの冷凍にも技術的には対応できるという。メンテナンス面では、リモートメンテナンスで24時間ロボットピッキングを含めた全システムを24時間監視してくれる。

物流向けに開発した新モデル
着脱可能なクレーンと新AGVを使った自動倉庫システム

これまで各種のモデルで実績を積み上げてきたROMSだが、NFCの商談の中で、3PL事業者から要望が多かったのが、より高い柔軟性や拡張性だ。特に3PLの場合、荷主や扱う荷物そのものが頻繁に変わったり、中には季節波動の高い案件や事業が急成長する案件もあることから、従前のNFCよりもさらに柔軟な能力・保管量・レイアウトが求められる。そこで開発したのが「Nano-Stream」だ。

<「Nano-Stream」>
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「Nano-Stream」はケース搬送に固定式のコンベヤを使わず、着脱式ラックハンガークレーンとケース搬送AGVで荷物の入ったケースを移載、ステーションまで搬送する自動倉庫システムだ。これらの機器構成で、100m2のスモールスペースからスタートできる。従来のNFC同様、モジュールの追加で保管量の拡張できるほか、クレーンやAGVの台数・走行レーンを増やすことで搬送能力の拡張や入出庫ステーションの増設が容易に可能だ。「つまり、平常時にはスモールスタートし、繁忙期にAGVやクレーンを増やすことで、季節波動の荷物量を吸収していくわけです。これまでの繁忙期のピークに合わせてシステムを組むというムダを無くすことができます。追加機器分については、レンタルでも対応しており、まさに柔軟性を担保したシステムになっています」と前野社長は自信を見せる。当然その他のモデル同様、作業者がピッキングする以外に、ロボットピッキングも対応可能だ。

<「Nano-Stream」動画>

同じくユーザーの生の声をもとに開発した製品が「Nano-Sorter」だ。これはその他の自動倉庫システムと異なり、仕分け工程の自動化に焦点を当てた立体型高速ピース仕分機だ。700~800ピース/時間を処理し、省スペースで作業生産性を向上させる。「Nano-Sorter」には標準モデルとバッファ付きモデルがあり、バッファ付きモデルとは、オプションで上部にバッファエリアを設置するタイプだ。

<「Nano-Sorter」バッファ付きモデル>
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最大の特徴は、天井高を有効活用したこのバッファエリアにある。仕分けが完了したケースをバッファエリアで一時保管することで、仕分けが完了したケースの置場や前後の作業工程を気にすることなく、一度の作業バッチでピッキングしたアイテムを大量に連続で仕分けることができる。天高を活用することで、わずか15m2の設置面積で約400間口を設置可能だ。また、仕分け完了後のケースをコンベヤで出庫させることも可能で、後工程へスムーズに連携ができる。「間口数が多ければ多いほど仕分け作業ははかどることから、間口を仕分用の仮想間口とするバッファ機能で、例えば1バッチを限りなく大きくすれば1オペレーションで対応できます。高さを最大活用した仕分機はこれまでになく、こうした機能や実用的に必要な能力なども実際の3PL事業者様のニーズをもとに開発しました」と前野社長は説明する。

「Nano-Stream」と「Nano-Sorter」は、今後開催される関西物流展や国際物流総合展で順次発表される予定だ。いずれも新モデルにも関わらず、既に複数の受注や引き合いがあるという。

最後になるが、前野社長はLNEWS読者に「今まで高額だった自動化ソリューションをいかに小さくし、かつ使いやすい製品にするかを相当意識して開発してきました。自動化はまず使ってみないと分からないものです。最近は問い合わせを多くいただいています。相談も含めて、何が自社にとって最適なソリューションか見極めるための場としてラボにお越しいただき、一緒に伴走していける関係を構築できればと思っています。ぜひ、この平和島ラボに来て、ソリューションを見て、そして感じて頂けたらと思います」と締めくくった。

<前野社長>
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URL:https://roms.inc/

■会社概要
名称:ROMS(ロムス)
住所:本社 東京都品川区東五反田2-5-2
平和島ラボ 東京都大田区平和島1-2-20
TEL:03-6417-3633

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