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ロジスティード/シナジー実現するか、アルプス物流公開買付け

2024年05月10日/SCM・経営

ロジスティードは5月9日、LDEC名義で「アルプス物流に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」を発表しているが、アルプス物流株の公開買付けと、アルプスアルパインとの資本業務提携によっていくつかのシナジーの実現を挙げている。

それによると、「ロジスティードグループの顧客基盤の活用による市場と商品の拡大」を最初に挙げている。ロジスティードグループは、国内有数の物流企業で、2022年度において、3PL売上高が 4979億円にものぼり、自動車、産業機器、半導体、消費、流通、食品、医薬品及び化粧品等の幅広い業界領域で有力な顧客層を有している。

ロジスティードグループが持つこれらの顧客基盤を活用することにより、アルプス物流グループの電子部品物流分野及び消費物流分野において、既存領域での拡販及びビジネス領域の拡大を図ることが可能になると考えている。

また、「ロジスティードグループの国内物流網の活用・連携による国内事業の強化」がある。ロジスティードグループは、日本国内で 23社、334(2024 年3月 31日現在)の拠点を運営しており、全国各地に物流拠点を有するほか、自家車両の増強、輸送協力会社とのパートナーシップ強化等により輸送事業の強靭化にも取り組んでいる。

アルプス物流グループの電子部品物流分野では、国内の物流拠点・輸配送網が東日本中心であることから、ロジスティードグループが西日本・九州エリアに有する物流拠点・輸配送網を活用することにより、営業基盤の強化を図ることが可能になると考えている。また、本取引によって、消費物流分野を含め、物流拠点の相互活用による稼働率の向上、輸配送の共同化による積載率の改善等、国内ネットワークの効率化を図ることも可能になるとしている。

さらに、「ロジスティードグループの海外物流網の活用・連携による海外事業の強化」だ。ロジスティードグループは、北米・欧州・アジア・中国等で 72社、471(2024 年3月 31日現在)の拠点を運営する等、海外において3PLやフォワーディング等の事業を展開しており、海外事業がロジスティードグループ全体の売上高の約 40%を占めている。

アルプス物流グループの電子部品物流分野では、ロジスティードグループが持つこれらの海外拠点網を活用及び対象者の海外拠点網と連携することにより、海外各国におけるロジスティクス事業の強化、グローバルワンチャンネルサービスの拡大、非日系顧客の開拓を図ることが可能になると考えている。また、フォワーディングにおいては、日本発着の貨物を含め、ロジスティードグループと連携することにより調達力の強化を図ることができると考えている。

そして、「上場維持コスト及び管理部門の業務負担軽減」を最後に挙げている。アルプス物流において、近年の新市場区分における上場維持基準への適合対応及び改訂されたコーポレートガバナンス・コード等に対応するために、上場を維持するための体制や業務負担は、年々増大しているとのこと。本取引によりアルプス物流株式を非公開化することによって、これらのコスト及び業務を軽減できるとしている。

なお、本取引完了後のアルプス物流の執行体制については、アルプス物流の現体制を維持しつつ、ロジスティードのオペレーショナルエクセレンスの共有やシナジーの実現に必要となる役職員を、アルプスアルパイン及びアルプス物流と協議の上、ロジスティードから対象者に対し一部派遣することを想定している。

その一方で、電子部品物流事業に関するアルプス物流の専門性及びノウハウをロジスティードにおいて活用し、ロジスティードグループ全体の成長を加速させる観点から、アルプス物流の役職員をロジスティードの要職に就任させる等の人材の相互交流の実施も予定している。

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