ロジスティードが9月26日に開いた記者会見で中谷康夫 会長兼社長執行役員は、株式再上場に向けた直近のスケジュール感について、「市場環境にもよるが」と前置きした上で、早ければ2027年度中の実現が視野に入っていることを明らかにした。また、2030年度の売上高目標1兆5000億円の達成を見据えた各種施策の実行を加速させる姿勢を強調した。
中谷 会長兼社長執行役員は、「再上場に向けたハードルは1980年代に行った上場の時より高い」と説明。超えるべきハードルについては、「海外の投資家にどう関心を持ってもらうか」であるとし、具体的には海外での売上高比率を現在の46%から50%以上に、営業利益率を5.5%から6.0%に引き上げることなどを例に挙げた。
これらの目標を達成して海外の物流企業でトップ5の地位確立が視野に入らない限り、海外の投資家に関心を持ってもらうことはできないとの認識を示し、「そこが最大の難しさ」と本音を吐露した。
昨年グループ入りしたアルプス物流については、利益ベースで数十億円単位のインパクトを見込んでいることを報告した上で、今後はバンテックと統合する可能性があることを示唆した。
国内事業については、上位物流事業者による寡占化が進む中、「勝負をしていくのは当然」とし、M&A・提携の推進やSSCVをはじめとする独自の技術・サービスで差別化を図る方針を示した。
フォワーディング事業については、「スケールの追求でもある」と述べ、アジア発着の売上高で2000億円規模の確保が不可欠であることから、M&Aなどにより拡大を図るとした。
続いて説明に当たった西川和宏 副社長執行役員 ロジスティードジャパンカンパニー社長は、AIの進展によるデータセンターの新設・増設など、電子・精密機器関連の需要が高まる中、アルプス物流のグループ入りにより調達から輸送まで担うことのできる体制が整ったとし、さらなるシナジー効果の発揮に向けて、顧客の製造・物流拠点の新設・更新ニーズなどに対して、シームレスなサービスの提供を強化していく考えを示した。
<西川和宏 副社長執行役員 ロジスティードジャパンカンパニー社長>

西川副社長はまた、グループ会社の流通サービスによるチルド輸送ネットワークを活用した3PL受託領域の拡大や、他社との共創スキームを通じた外国人ドライバー採用計画を着実に進めるとの考えを示すとともに、長距離ネットワーク構築に向けた新たなパートナー発掘などにより「日本で勝ち世界で伸ばす」を掲げるロジスティードグループの成長の一端を確実に担っていく姿勢を強調した。
海外を担当するクリストファー・ローガン 副社長 ロジスティードインターナショナルカンパニー社長は、日系企業以外の顧客獲得や北米・欧州への事業拡大、「ワンロジスティード」の理念に基づく高品質サービスの提供などにより、アジア最大のプレーヤーを目指すと宣言した。
<クリストファー・ローガン 副社長 ロジスティードインターナショナルカンパニー社長>

日系以外の顧客獲得については、自動車・産業・消費財・電子の「ビッグ4」に加え、製薬やコールドチェーンなどニッチとされる物流についても、「グローバルアカウントプログラム」と呼んでいる統合的なサービスを提供することで実現する考えを表明。
財務的な指標については、日本ではなく世界で戦うことのできる水準を見据えているとした。
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