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NTTデータ/中小事業者の課題解決へ荷役可視化、中継輸送PFなど構想

2024年07月10日/IT・機器

NTTデータは7月10日、物流業界が直面する課題への取組について、都内豊洲センタービルで説明会を開催した。

登壇者はコンサルティング事業本部 サステナビリティサービス&ストラテジー推進室 南田晋作 室長。はじめに「物流業界が直面する課題」として、「中小事業者が多く、なかなか交渉が進まないのが現状。荷主が強いことを起因とした非効率な運送が行われているが、荷主は物流を経営課題と捉えていない」と問題提起した。

<コンサルティング事業本部 南田晋作 室長>

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同社の調査によると、BtoB(企業間)物流の市場規模は16兆円で、このうち大手が4兆円、残りの12兆円を中小事業者が担っている。このうち20人以下の事業者が7割を占めており、「ここが物流課題解決の主戦場となる」と強調。一方で、特に100名以下の小規模事業者でデジタル化が進んでいないことも明らかとなった。

こうした背景から、同社は経済産業省による物流MaaS実証事業への参画や、国土交通省における物流事業者のデジタル化調査・実証に取り組んでいる。

その1つが、「行動センシングによるトラックドライバー荷役作業の可視化」だ。同社によるとドライバーの荷待ち、荷役、附帯作業は全体の労働時間の2割を占め、しかも労災の申請は荷役作業が多いという。NTTデータでは、ウェアラブルデバイスを用いてドライバーの行動情報をデータ化し、AIにより荷役作業等を可視化する実証を進めており、約9割の精度で作業識別が可能となった。

続いて、2024年問題により発生する「運べなくなる危機」への取組として、複数拠点間での積み替えによる中継輸送が可能となる「中継輸送最適化PF(プラットフォーム)」を提案した。

<「中継輸送最適化PF」概要イメージ>

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中小企業にとっては「乗り換え」や「トレーラー・スワップボディ」はコスト面の課題が大きいという課題がある。複数拠点であればマッチングできる可能性も高く、積み替えの拠点となる倉庫事業者を中心にネットワークをつくり、輸送最適化を図るという構想だ。

具体的には倉庫事業者が荷物のデータを集約し中継輸送をアレンジ、また荷役のリソースについても倉庫側が提供し、輸送条件等により変動するダイナミックプライシングを導入することで、総合積載率の最大化を目指す。運送事業者はデジタル端末等により作業指示を受け取る。

同社の量子技術を活用した最適化計算によると、これにより総合積載率を10~30%程度改善できることを確認済だという。

「一部の事業者が優位になるものではなく、物流業界全体に貢献するもの。中小事業の多重下請け構造が改善されるようなプラットフォームを作りたい。共同輸送は大手の中で始まっているが、見えている範囲はほんの一部。BtoBのなかで見えていない中小事業者の積載率を改善するプラットフォームが必要だと思っている。フィジカルインターネットは待っていてもこない。それをどうやって作り出すかを考える時代になっているのではないか」と南田室長は語った。

NTTデータでは、「中継輸送最適化PF」の肝となる最適化モデルについて、7月から三井倉庫ロジスティクスと、机上検証を開始する。

 

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