双日は12月17日、グループ会社のJapan(ジャパン) Vietnam(ベトナム) Livestock(ライブストック) Co., Ltd.(JVL)を通して、12月17日にベトナム ビンフック省タムダオ地区で、同国最大級の牛の食肉加工工場の稼働を開始した。
高度に衛生管理された環境下で牛肉の冷蔵加工を行うベトナム初の工場で、将来的には年間約1万トンの牛肉製品の出荷を目指す。2025年3月には、工場の隣接地で農場の稼働を予定しており、肥育から加工・販売までの一貫体制で、良質なベトナム国産牛肉製品を安定的に供給し、食文化の発展に寄与する。
ベトナムの食肉市場は、現状、豚および鶏の消費が多く、牛肉の年間消費量は約50万トン(日本は約100万トン)にとどまり、流通する牛肉の多くは常温で加工・輸送され、伝統的な市場で販売されている。今後は、さらなる人口増加(2023年時点の人口:約1億人)と所得水準の向上により、牛肉消費量の増加が見込まれ、経済成長に伴う消費者の購買行動の多様化により、冷蔵環境で衛生管理された良質な国産牛肉の需要拡大が予想される。
2022年よりテストマーケティングとして日本産牛肉の輸入・販売を開始し、2023年からはベトナム国内の協力工場で加工した国産牛肉製品をスーパーマーケットや飲食店などに販売している。
今回稼働する工場は、年間約3万頭の食肉処理・加工が可能で、将来的には、牛肉製品の生産量約1万トンを目指す。生産された製品は、双日がベトナムで展開している4温度帯に対応した物流センターなどで適切に管理・配送され、双日グループの業務用食品卸最大手であるDaiTan(ダイタン) Viet(ビエット) Joint(ジョイント) Stock(ストック) Company(カンパニー)の得意先の中高級クラスのホテルや飲食店などへの販売も予定している。
2025年3月に工場隣で稼働を予定している農場は、約1万頭の牛の肥育が可能。肥育から加工・販売までの一貫体制で、国産牛肉製品のさらなる安定的な供給を目指す。
■タムダオ食肉加工工場の概要
工場名:タムダオ食肉加工工場
食肉処理能力:約3万頭/年
加工能力:約1万トン/年