三菱電機ビルソリューションズ、Preferred Robotics、大英産業の3社は共同で11月27日、居住者が生活するマンションで自律搬送ロボットがエレベーターと連携してロビーと各部屋の間で荷物やカートの搬送などを行うシステムの実証実験を開始した。実験は福岡市内のマンションで2026年1月まで行われる予定。
＜実証実験のイメージ＞
実証実験は、三菱電機ビルソリューションズのIoTプラットフォーム「Ville-feuille（ヴィルフィーユ）」を活用した「ロボット移動支援サービス」により、Preferred Roboticsの自律搬送ロボット「カチャカプロ」とエレベーターを連携させ、大英産業が運営・管理するマンション内で建物内移動の効率化と自動化の可能性を検証する。
実験では、マンションの住人が専用ブラウザアプリを利用して複数のサービスを利用・検証する。
「買い物荷物搬送サービス（マンションロビーから各部屋へ）」では、買い物からの帰宅時を想定し、住人がロビーに設置したカートに荷物・重量物（最大30kgまで対応）を載せると、「カチャカプロ」が各部屋まで自動搬送。カートはマンション外への持ち出しも可能で、マンション駐車場の自家用車からの搬入にも利用できる。
「荷物搬出サービス（各部屋からマンションロビーへ）」では、旅行、大型荷物の発送準備などでの荷物運搬や、日常のゴミ出しなどを想定しており、あらかじめ部屋の前に搬送された「カチャカプロ」に住人がカートに荷物を載せるとロビーまで自動搬送する。
「宅配受取サービス（宅配ボックスから各部屋へ）」では、住人が宅配ボックスから荷物を取り出しカートに載せると、「カチャカプロ」がカートを各部屋まで自動で搬送。将来的には宅配ボックスからカートへの荷物の取り込み作業も自動化し、宅配業者を問わず、自律配送が利用できるようにすることで、ラストワンマイルの完全自動化を目指す。
アプリは住人のスマートフォン・タブレットの他、エントランス設置の専用タブレットからも操作できる。
実証実験を通じて「人とロボットが共生する次世代建物環境」の実現を目指し、エレベーターやロボット技術を核とした建物内自動化ソリューションにより、社会問題となっている物流の2024年問題や多様化する社会課題の解決につなげる。
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