NX総合研究所は7月14日、「2025年度経済と貨物輸送の見通し(改定)」を発表した。
国内貨物輸送の現状と見通しでは、建設関連貨物が下押し、総輸送量は4年連続のマイナスになるとみている。総輸送量は2024度通期で1.4%減、2025年度も2.1%減と低迷。
消費関連貨物の2024年度は4.5%増の後、2025年度は1.3%減となり水面下に沈む。消費者物価の上昇を受けた実質賃金の伸び悩みにより、個人消費が盛り上がりを欠く動きとなり1.3%減。猛暑効果による飲料や夏物衣類・日用品などの旺盛な需要が見込まれるものの、前年同期における大幅増の反動を受け、下期は前年水準を下回る見込みだ。
生産関連貨物の2024年度は0.6%減、2025年度も1.6%減とマイナス幅が拡大。1~3月期に、トランプ関税政策の影響を見込んだ駆け込み需要が発生。4月以降は同政策の影響などに伴い、自動車・同部品、一般機械、鉄鋼、化学工業品などの生産や荷動きが低調になった。トータルでは1.6%減と2年連続の減少。
そのほか、建設関連貨物の2024年度は5.0%減、2025年度も3.0%減に。雑貨輸送量の2024年度は3.1%増の後、2025年度は1.7%減とマイナスへ転換。
輸送手段別では、鉄道は、2025年度のJRコンテナは2年連続の増加。自動車では2025年度の営業用自動車は微減から2.2%減でマイナス幅拡大。内航海運は2024年度からマイナスが続き、2025年度を通じて減少が見込まれる。そして国内航空は2024年度よりも減速するも大幅な増加は続く、としている。
一方、国際貨物輸送については、外貿コンテナ貨物は、世界経済の減速感が強まる中、輸出は1.9%減と2年連続のマイナス。輸入は消費財・生産財ともに増勢を維持し、4.8%増と今後もプラスの見通し。
国際航空については、輸出はアジア線の拝復と半導体関連の増勢で、2.7%増と2年連続のプラス。輸入は消費財・生産財いずれも好調に推移し、8.2%増と2年連続のプラスになるとしている。
なお、日本経済については、2025年度の実質経済成長率は0.6%増と加速するも力強さを欠くとみている。
NX総研/国際物流・サプライチェーンでグローバルマーケットレポートを新設