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JDA/オムニチャネルで注視すべき分野「物流」

2015年05月19日/調査・統計

JDA Software Groupは、世界の消費財・小売企業に在籍する400人以上のCEOを対象に、オムニチャネルの実態に関する調査を実施した。

「注視すべき分野」の最多回答は「輸送および物流」で、88%のCEOが将来の第一優先事項として挙げている。また、焦点を当てるべき対応能力としてCEOが挙げた第2位(85%)は「注文対応向けの在庫状況改善」だった。

<「オムニチャネルのフルフィルメントを完遂するために上記の分野はどの程度注視する必要がありますか?」という問いに対する回答>
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今回のJDAの調査では、各社のCEOが、現時点では利益を確保できるフルフィルメントや納品スキームを構築する取り組みに焦点を当てているとはいえないものの、将来生き延びるために利益を生み出してくれるオムニチャネルに対応したフルフィルメントが重要課題であると認識していることが分かった。71%のCEOがオムニチャネルのフルフィルメントが最重要もしくは重要課題であり、そのパフォーマンス改善に向けて総資本支出の平均29%を投資する計画であると回答している。

小売業や消費財メーカーでは、オムニチャネルに対応したフルフィルメント(オーダー受注から顧客の手元に商品が届くまでの一連のプロセス)の能力改善が「最重要もしくは重要課題である」と回答したのは、全体の71%で、今後多大な資金と労力の投資を計画していることも分かった。

<「オムニチャネルのフルフィルメントで顧客の期待に応えることは貴社にとってどの程度重要ですか?」という問いに対する回答>
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現在のビジネス環境からは当然の結果と見ることができるが、調査結果からはさらに予想外の憂慮すべき事実が明らかになった。それは、大規模な投資にもかかわらず、現時点でオムニチャネルによる顧客需要を満たすと同時に、収益を確保できている企業はたった16%に過ぎないということ。

JDAの委託によりPwCが行った調査結果の報告書「The Omni-Channel Fulfillment Imperative」には、前述の結果を含め2014年末に世界の消費財・小売企業の400人以上のCEOを対象に実施された調査の結果が浮き彫りにされている。

例えば、複数チャネルを通じて商品を販売・納品する中で、小売企業の収益を浸食している最大の原因は、単純に注文に対応するコストが高いこと。

対象者の67%が複数チャネルでの販売に注力すればするほど対応コストが上昇すると回答している。オムニチャネル販売関連コストの上位回答は「ネットおよび店舗からの返品処理(全回答の71%)」、「顧客への直送(67%)」、「店頭受取商品の店舗配送(59%)」となっている。

報告書によると、CEOはオムニチャネルのパフォーマンスを向上させるために業務改善への継続投資が必要だと認識している。業務改善に向けた取り組みについてCEOのトップ回答は「新規顧客創出のための投資」(57%)。同様に「今年戦略的成長を可能にする手法・手段について」の最多回答は「実店舗を削減もしくはフォーマット変更し、拡大するEコマースビジネスに集中」(53%)だった。

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