三菱商事は6月11日、米国で機関投資家向けにアセットマネジメント(資産運用)事業を展開するMC Asset Management Holdings, LLC(MCAMH)が、コンテナ船に投資を行うファンド「MC-Seamax Shipping Opportunities Fund, L.P.」の組成を完了したと発表した。
このファンドは、船舶ファイナンスに関するアドバイザリー会社であるSeamax Partners LLCと共同で組成し、日米欧の機関投資家から約3億ドルの出資コミット(内、三菱商事の出資コミット額:5000万ドル)を受け、この度募集を終了しファンド組成を完了したもの。
このファンドは主に中古コンテナ船を購入・保有し、大手海運会社等に貸出すことにより得られる安定的な傭船料収入をもとに、投資家に利益還元することを目指している。現時点で計6隻、合計積載量4万5000TEUのコンテナ船を購入し、大手海運会社との傭船契約に基づいて運航が行われている。
コンテナ船市場は、2008年の金融危機以降の景気失速により貨物輸送量が減退したことに加え、危機前に建造・発注された大量の船腹が供給された為、需給が緩み船価・傭船料はここ数年低い水準に留まっていた。
このところのグローバルな経済回復に伴い船腹需要が増加し、船価・傭船料は徐々に回復していることから、今後もファンドの資金を活用し、更なる優良船の獲得を進めていく予定としている。
■MCAMH概要
本店所在地:アメリカ合衆国、コネチカット州スタンフォード
事業内容:実物資産等を裏付けとする先端的な投資商品を開発し、グループ会社を通じて、グローバルに機関投資家に向けた投資機会を提供している。
設立:2011年12月
従業員数:約20人
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