DHLは1月13日、新白書「「Lean and Agile:テクノロジー業界のサプライチェーン・レジリエンス」を発行した。
テクノロジー業界に精通する著者リサ・ハリントン氏とともにまとめたもので、コスト削減、改善活動、経営の見える化、そしてレジリエンスの向上に積極的な姿勢を見せるテクノロジー企業が如何にしてリードロジスティクスプロバイダー(LLP)と連携し、革新的かつ戦略的なサプライチェーンモデルを構築しているかについて詳しく説明している。
白書では、テクノロジー業界において将来的な混乱をもたらす要因を示す指標として過去のデータが如何に無用であるかということを詳述している。
テクノロジー企業は、製品のライフサイクルの短期化、新興市場の成長と中産階級における消費拡大、アウトソーシングの落とし穴と言える要因によって生じる数々の課題を抱えている。こうした動向によって安定していた商取引環境に混乱をもたらしている一方、それだけがテクノロジー業界に不確実性や曖昧性をもたらしている訳ではない。
lharringtonグループ社長であるリサ・ハリントン氏は、テクノロジー業界に影響を与える課題や動向を調査し、DHLと共同でまとめた報告書の中で、これからのテクノロジー業界は、リーン(効率的)かつ応答性の高いサプライチェーン・レジリエンス(困難を乗り越える対応力)を兼ね備えていかなければならないと述べている。
テクノロジー企業は、世界市場の動きに順応し、柔軟性に富んだサプライチェーンの構築が強く求められている。こうしたアジリティ(機動性)は、企業がアセットライト(保有資産を圧縮し、軽い状態)を維持しつつ、必要な時にリードロジスティクスプロバイダー(LLP)と協力し、最大限の生産能力を発揮できるようにしておくことで実現することができる。
ハリントン氏は、「テクノロジー業界の不確実性や不透明性という要因こそが、次に何が起きるのかという未来予測を困難にさせている。製品のライフサイクルは、メーカーが互いに競い合い、旧製品に取って代わる革新的な新製品を生み出していることから、さらに短期化する傾向にある。新興市場の
成長と中産階級の人口増加によって消費需要がさらに高まり、供給が追い付かず、問題がより複雑化している。また、サプライチェーンの地理的範囲が拡大するにつれ、取引業者数も比例して増加している。一方で、テクノロジー業界のアウトソーシングによって、多数の業者が絡む多層的かつ地理的分散した複雑なサプライチェーンが出来上がり、可視性という点において齟齬が生じるため、企業がロジスティクスの全工程を把握できなくなっている」と述べている。
■新白書
http://www.dhl.co.jp/tech-resilience
■成功事例
http://www.dhl.co.jp/technology
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