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奥村組/立体自動倉庫のラック(荷棚)制震技術を開発

2016年07月13日/生産

奥村組は7月13日、物流施設や工場などの震災時での事業継続性の向上のため、高層ラックを有する立体自動倉庫のラック制震技術を開発したと発表した。

<ラック制震技術の概要>
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<振動実験の状況>
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立体自動倉庫に装備される自動搬送機の走路を挟んで向かい合うラックを2列1組として、その頂部を横断方向に治具で固定して一体化し、一方のラック脚部に制震ユニット(転がり支承・減衰装置)を取り付けることで、ラックの長周期化とともに減衰機能を付加し、地震時の揺れを低減する。

巨大地震を想定した振動実験では、ラック積荷の重量や配置などを考慮したさまざまな条件で安定した制震効果を発揮し、適用しない場合と比べてラックの揺れを最大で約1/4に低減できることを確認した。

この技術は立体自動倉庫だけでなく一般のラック倉庫にも適用でき、新設に限らず既存のラックにも対応可能なことから、今後は、荷物の保全や倉庫機能の維持など、事業継続に対するニーズに応える有効なソリューション技術として積極的に提案していく。

なお、倉庫内を高さ方向に有効利用するため高層ラックを設置し、自動搬送機による荷物の入出庫等をコンピュータ制御で行う立体自動倉庫では、東北地方太平洋沖地震や熊本地震時にラック積荷が落下し、多量の荷物が破損したほか、その荷物が自動搬送機の走路を塞いだことで搬送機能が損なわれるなど、その復旧に多大な時間と労力を要する事例が多発した。近年各地で地震が頻発するなか、事業継続の観点からラックの荷崩れ防止対策を講じる必要性が高まっていることから開発したもの。

■問い合わせ
奥村組
技術研究所
建築研究グループ
TEL:029-865-1832

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