今後、容積率、建ぺい率の緩和を望む
―― 先進的大型物流施設の竣工が続いています。リーシングについては。
ギブソン 大阪南港の施設内覧会に2日間で30社100名以上に来場頂き、2月初旬に開催したリーシングパーティーには150名に参加頂きました。すでに、予約契約が3割程度あり、この3月から4月にかけて本契約になると思います。第一四半期までに、25%程度の本契約を予測しています。先ほども申しましたが、リーシングに1年程度かけてじっくり腰を据えてやるつもりですので、心配していません。藤井寺に関しては、高速道路からも近く、元々シャープの倉庫があった場所ですので、立地がとにかく良いために、企業のニーズも高いようです。すでに内覧会に47社程度に参加頂いています。
―― 市川については、あれだけの土地がよく取得できましたね。
ギブソン 国有地の入札で数社競合となりましたが、先に述べたように松波取締役を中心とした社員の尽力で取得することができました。立地的には最高の場所ですので、すでに具体的な話だけで賃貸面積の7割程度の問い合わせ話を頂いています。私たちは価格競争だけは避けたいと思っています。過去にレッドウッドでは他社の動向を見て検討をとりやめたこともあります。価格が高騰することを見極めることも大切です。我々が重視したいのは、立地の良さとともに、希少性なのです。
―― 地方での開発については。
ギブソン リーマンショックの前までは、地方都市での倉庫開発が進みました。しかし、その後、売却などで苦労したことを知っています。弊社は3大都市圏に集中して取り組みます。
―― 今後の開発は。
ギブソン まだ、公表していませんが、より高層の物流施設も計画中です。日本での高層の倉庫は、容積率、建ぺい率の関係で非常に難しいのです。ケースバイケースでできる場合もあるのですが、ぜひとも、今後、国には容積率、建ぺい率の緩和を図ってほしいと思っています。狭い国土で効率的に土地を活用しないと日本経済の活力も失われることになると思います。
―― 香港では20階建ての物流施設もありますね。
ギブソン そうです。東京湾岸の古い倉庫を高層階の物流施設にすれば、非常に効率的になると思いますし、土地の有効活用に役立つものと思います。ぜひ規制緩和してもらいたいものです。
―― LNEWS読者にメッセージを。
ギブソン 我々の施設をぜひ一度見てほしいと思います。内覧会なども数多く開催していますので、ぜひ参加してください。そうすると、他の施設と違うことがお分かり頂けると思います。クオリティ、デザイン、立地、アメニティとも自信をもって提供いたします。
―― ESRのパンフレットで「HUMAN CENTRIC DESIGN.」を謳っています。
ギブソン HUMAN CENTRICは、人間が中心に立つ、もしくは人間が中枢に位置する、人間主体といった意味ですが、ESRの物件はこの思想に基づいています。それにデザインにもこだわるといったものです。元々、思想としてはあったのですが、グループ設立10周年を契機にキャッチコピーとして掲げました。これからもこの思想を大切にし、高性能で革新的、さらに環境にも配慮した物流施設の新しいスタンダードを提供していくつもりです。
―― トップインタビュー2度目の登場ですが、1度目はスコットランド独立投票の時でした。今回はイギリスのEU離脱ですね。
ギブソン そうですね。あれから私に子供も誕生したことからHUMAN CENTRICにこれまで以上にこだわるようになりました。さらに追及していきたいと思います。
プロフィール
スチュアート・ギブソン
ESR CEO
英国スコットランド出身。
不動産開発および不動産投資の経験はアジアで24年、内、日本で15年以上。アジア全域で25億USドル規模以上の商業施設開発や投資を指揮。プロロジスの日本における代表者、AMBプロパティジャパン(現:プロロジス)のアドバイザリー委員会委員長、AMBブラックパイン(AMBプロパティジャパンの前身)共同設立発起人且つ共同CEOを歴任。2006年レッドウッドをチャールズ・デ・ポルテスと創設。
2016年にe-Shang(イーシャン)と経営統合、ESR(E-Shang Redwoodの略称)に名称変更。ESRグループ共同創設者・最高経営責任者、日本法人・ESRの代表取締役(CEO)として現在に至る。
■ESR
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