プロロジスは12月5日、東京・丸の内のSMBC日興証券ホールで第3回目となるプロロジスセミナー「IoT、AI、ロボット、テクノロジーが加速させる物流革新」を開催した。
当初プロロジスでは参加人員を100名と予定していたが、IoT、AI、ロボットに対する参加者の興味が強かったことから、約160名に膨れ上がった。
プロロジスの山田御酒社長は「物流の世界でもIoT、AI、ロボット、テクノロジーが加速している。今日はその先進的なニトリグループの事例を紹介してもらうことになった。今後、ニトリグループが物流の革新でどのような展開をするか非常に楽しみ」と挨拶した。
続いて、ホームロジスティクスの松浦学社長が「事例紹介:深化し続けるニトリグループの物流とその未来予想図」について講演。
先日稼働したばかりのプロロジスパーク茨木(西日本通販発送センター)でのバトラー導入から始まり、2021年稼働予定の幸手市の自社物流センターでの取り組みを紹介し、IoT、AI、ロボット、テクノロジーが加速させる物流革新について計画と展望を語った。
10月26日に発表した幸手市の物流センターの総工費は約500億円。先端のマテハン機器導入予定で定点作業、搬送距離短縮を実現するとともに、立体駐車場や充実したアメニティを実現する計画だ。
松浦社長は「現在人手が足りない足りないと言っているが、今後ヒューマンリソースが減少するのは統計学的に見ても明らか。そのための備えに対応するのはIoT、AI、ロボット、テクノロジーしかない。通常、この幸手センターの規模(延床15.7万㎡))だと従業員は約2000名必要。幸手市は人口5万人で、それだけの人員を確保するのはほぼ絶望的だ。今の試算では、10分の1の人員でもオペレーションできる体制を構築していく予定だ。初期コストはかかるが、物量の増加等を勘案しトータルでみれば数年でペイできる取り組みとしている。パレット自動倉庫やケース自動倉庫、多関節ロボットの導入なども予定している」と話す。
また、今後IoT、AI、ロボットを導入する予定の企業に対して、「ニトリではオートストアとバトラーを導入しているが、これで完璧ではなく、常に進化を続けるテクノロジーと物量の環境に注意を払わなければならない。オートストアも安定するまでに4か月かかった。将来的な発展に備えて、導入によって勉強をしているようなもの。すでにニトリの商品も家具が4割、雑貨が6割と商品構成も大きく変化してきている。がちがちに組むと不具合が生じる危険性があることも考えていないといけない」と話した。
その後、プロロジスの中村明夫開発部統括部長の司会により松浦社長とシーオスの松島聡社長による対談、その後、松島社長が「IoTとシェアリングによる産業の変革-UXの時代」、最後に中村明夫統括部長が「プロロジスの次世代物流への取り組み」をそれぞれ講演した。