日本政策投資銀行(DBJ)は6月7日、「地域公共交通における新たな動き~貨客混載を中心に~」と題した調査レポートを公表した。
レポートでは、バス・鉄軌道10事例について調査を行うことで、貨客混載のメリット、課題と対応を整理するとともに、今後の活用の可能性について検討を行った。
事例として、十勝バスとヤマト運輸、岩手県北自動車とヤマト運輸、茨城交通、全但バスとヤマト運輸、ジェイアール四国バスと日本郵便、宮崎交通とヤマト運輸、北越急行と佐川急便、京福電気鉄道とヤマト運輸、WILLER TRAINS(京福丹後鉄道)と丹後王国、和歌山電鐵とヤマト運輸の10の事例を解説している。
貨客混載にはエリアでは都市部から過疎地まで、荷物は宅配便や郵便から農産品まで、輸送距離は数㎞から100㎞超まで、使用する車両は乗客と同じ車両から専用車両や回送便まで、連携相手は大手物流事業者から地域商社や行政まで多様なバリエーションがあることが分かった。
そして、貨客混載に取り組むメリットとして、公共交通事業者の損益改善や物流事業者の業務効率化をはじめとして多数挙げられる。
一方、貨客混載に適した路線を見つけることが容易ではない、公共交通事業者の損益改善効果は限定的である、補助路線では貨客混載による損益改善が補助金削減により、相殺される可能性がある、といった課題もある。
このうち、補助金については、貨客混載が交通事業者の損益改善のみならず物流サービスの維持等の様々な効果に波及することを重視した制度設計がより有益である。
■レポートの詳細
http://www.dbj.jp/investigate/etc/index.html