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物流最前線 福岡運輸の物流戦略

2019年08月05日/物流最前線

食品物流業務がほぼ全て、まずは国内で地盤固める

―― 中心的な業務は食品物流だと思いますが、他には。

富永 福岡運輸単体では食品物流が99%ですね。グループ全体でも、500億円の売り上げのうち、350億円が食品物流となります。定温輸送部門も少なく、ほとんどが冷凍・冷蔵の加工食品の物流です。小口から中ロット、貸し切りも行っていますし、顧客の要望に応えた対応を行っています。一部、生鮮青果類はグループ会社の北松通運が長崎地区で行っています。

―― 倉庫のディベロッパーさんからは冷凍・冷蔵倉庫の需要が増していると聞いていますが。

富永 全体の物流需要からすれば、冷凍・冷蔵の物流需要は小さいとは思いますが、そのような倉庫を探しているといった話はよく聞きますので、需給バランスで言えば、需要が強いのかも知れません。冷凍・冷蔵の食品物流では、もう何年もの間、飽和状態という話がでていましたから、大きな設備投資に対して恐怖感はありますが、やはり期待感を持って取り組みたいですね。

―― 冷凍・冷蔵分野では、海外進出する動きも活発ですが。

富永 恥ずかしい話ですが、8年前に社長に就任した際に、海外進出も視野に入れて一つの目標にしていました。それから8年間、残念ながら実質上何もしていません。今は、逆に日本で強固な地盤を確立するほうが先決だと思っています。日本でもまだまだやれることは多いと思っていますし、私の今の主戦場は国内だと思っています。逆に国内で勝負していかないと、各社さんとの競争に打ち勝つことができませんからね。

―― 確かに、各社とも冷蔵・冷凍倉庫等の開発が活発ですね。

富永 各社とも海外を含めて、活発ですね。福岡運輸でも、まだまだ勝負できると思っていますので、これからも、システム開発や設備等に投資を続けていきたいと思っています。

―― 具体的な計画はありますか。

富永 この7月1日には、埼玉県鶴ヶ島市に鶴ヶ島配送センターをオープンしました。関東エリアでは、東京支店、船橋営業所、岩槻配送センターに次ぐ4か所目の拠点となります。今後、鹿児島と大阪を予定しており、すでに打ち合わせに入っています。また、冷凍・冷蔵倉庫建築用地として、関東・関西に計2万m2の土地を確保しています。関東では、神奈川県厚木市に4400m2の土地で、将来的に物流の効率化と物流品質向上をはかるためです。関西では、兵庫県西宮市に1万5000m2の土地を確保し、関東同様さらなる物流の効率化と物流品質向上を図るための冷凍・冷蔵倉庫の予定地として取得したものです。さらには、各地の拠点で2期工事も控えており、どこかのタイミングでプランを練って計画を進めていきます。

―― 完成すれば強力なネットワークになりますね。

富永 そうですね、これらが完成すれば全国を網羅するきちっとしたネットワークが完成することになり、冷凍・冷蔵輸送のパイオニアとして勝負できるものと思っています。今後10年間をめどに進めていきます。

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