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富士通/G20大阪サミット開催時の物流貨物車両の走行状況分析

2019年08月06日/調査・統計

富士通交通・道路データサービス(FTRD)と富士通鹿児島インフォネット(KFN)、トランストロン(TTI)は8月6日、2019年G20大阪サミット(G20)開催に伴い、6月27日~30日に実施された交通規制の影響を把握するため、大阪市内を中心とした物流貨物車両の走行状況を分析し、発表した。

<大阪中心部20km四方内における稼働車両数の推移 稼働車両数推移>

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<大阪中心部20km四方内における稼働車両数の推移 曜日別稼働車両数推移>

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分析では、全国17万台の物流貨物車両に搭載されたTTI製デジタルタコグラフから収集された走行情報をもとに、平常時とG20開催時における稼働車両数や同一車両の行動変化を比較し、G20開催時での物流車両の走行抑制傾向や走行する時間帯・経路変更などの傾向を確認した。

平常時とG20開催時の稼働数の変化の分析では、G20開催時の稼働車両数は27日~29日で5割程度となっており走行抑制傾向が見られた。一方で、日曜日の稼働車両数は、規制期間中であるものの平常日に近い稼働が見られた。

<G20開催会場を中心とした大阪市内へ配送する車両の出発時間の比較>

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平常時とG20開催時の両方で大阪市内へ配送実績のある車両について、出発時間の比較を行った分析では、平常時の出発時間帯は午前3時台と午前7時台に集中しているが、G20開催時は午前1時台がピークとなり、以降早朝まで集中する時間帯がないことから、出発時間が前倒しされ、分散している傾向が確認できた。また、日中の出発回数についても抑制傾向が見られた。

<G20会場付近へ配送する車両の走行経路>

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平常時とG20開催時の両方で京都方面からG20会場付近へ配送している車両が、どのような経路を利用しているかの分析では、6月6日~7日、および6月13日~14日の平常時は、ほぼ同一経路が選択されており、平常時での走行経路の変化はみられないが、6月27日~28日のG20開催時は通常と異なる迂回行動が見られた。大阪中央環状線を吹田方向へ走行する車両や、阪和自動車道を南下する車両など、中心部を避けたルートを選択している可能性が考えられる。

<G20会場付近へ配送する車両の走行頻度>

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交通規制の影響が定期便などの運行形態の違いにより、どのような変化が表われるかの分析も行っている。

それによると、G20会場付近への配送車両について、1週間の走行日数を平常時6月第1週、第2週で比較したところ、週5回以上配送している車両は、1週間の配送回数が概ね半数以上の車両で同じ結果となったことから、同頻度で定期運行している車両が一定数いることが確認できた。

一方、平常時6月第1週とG20開催時の6月第4週で比較したところ、平常時週4日~6日走行している車両の約7割がG20時には週3日以内に走行抑制しているのに対し、平常時に毎日走行している車両はG20時においても6割以上の車両が毎日走行しており、走行頻度の高い車両はG20開催中であっても走行抑制できない傾向が見られたとしている。

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