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物流最前線/アズワンはONETEAM
先進的な物流戦略を探る

2019年12月11日/物流最前線

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アズワンは理化学機器の卸業者として約85年の歴史を誇る。カタログ販売という新しい手法を最初に日本に導入した企業だ。現在では業界一の規模と実績を持つ。同社の事業戦略には、3本の柱があり、その一つに商品、情報とともに物流を据えている。顧客満足の徹底のために「クイックデリバリー」を軸としたビジネスモデルを展開しているが、この核となる要素が物流だ。
来年の5月には千葉県千葉市に新物流センター「アズワンSmart DC」を稼働させる。物流環境が逼迫する中、倉庫内の省力化・省人化を積極的に図るため、様々な最先端自動機器を導入しようとしている。同社の井内卓嗣社長に同社の目指す物流の方向性ならびに、展望について聞いた。

<Smart DC外観>

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<アズワンの成長の糧となったカタログ類>

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カタログ販売が全国進出へのトリガー

――    まずアズワンの事業について。

井内 大きく分けると3つの事業分野があり、研究・産業機器部門の科学機器分野の売上高が58.3%、産業機器分野が22.1%、病院・介護用品分野が19.0%を占めています。様々なサプライヤーの製品を独自のカタログに編集して卸事業を行なっている会社です。全国3000社のサプライヤーと4000社以上の販売店に商品を卸販売しています。

――    最終ユーザーというのは。

井内 大学の理系学部研究室や、理化学研究所などの研究機関、民間メーカーでは、製薬・電子部品・食品・ケミカル部門など様々です。また、病院・クリニックでは、20床以上の規模の病院8000軒、クリニックは10万軒がユーザーとなります。

――    カタログ販売によるBtoBですね。

井内 そうです。一部アマゾンやアスクルを通じて流れているものがありますが、少量ですので、基本BtoBです。ただ、カタログと言っても厚いものでは3000頁を超すものもあり、事業ごとに備えており、全部で100万部程度を販売店を通じて配布してもらい、消耗品とか汎用品を含めて注文いただいているというビジネスモデルです。

――    カタログ販売を始めた理由とは。

井内 これは先代の社長がアメリカに視察に行ったおり、カタログビジネスに出会い、当時ビーカーやフラスコなどのガラス器を大阪中心で販売していたのですが、全国で展開できないかと思っていた時期だったとのことで、すぐに実行したわけです。カタログ自体がまだ世の中にほとんど出回っていない時期ですし、この業界でも最初だと思いますよ。また、当時、プラスチックというものが出始めたころですので、カタログを通じて普及させる絶好の機会でしたし、弊社の成長のきっかけともなりましたね。

――    現在、Eコマースの動きが活発ですが。

井内 当然、Webでの展開も行なっています。この業界はロングテール商品が多く、年に2〜3個しか売れないようなものが非常にたくさんあります。そのため、商品点数は増え続けており、カタログ掲載では10万点の商品数ですが、Webでは400万点の商品数を掲載しています。売れ筋商品はカタログ、ロングテールのようなニッチな商品はWebという使い方をしてもらっています。

――    社名のアズワンとは。

井内 以前は井内盛栄堂という、和菓子店のような和風の名称でした(笑)。アズワンとは2001年の東証一部上場を機会に社名変更したもので、最近話題となっている「ワンチーム」に通じる「一丸となって」という意味を持たせています。卸売業というポジションですので、サプライヤーがいて、販売店があり、そしてユーザーがいる中での、ハブとしての役割を目指した業務を行なっています。

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