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物流最前線/アズワンはONETEAM
先進的な物流戦略を探る

2019年12月11日/物流最前線

<大阪物流センター外観>

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<九州物流センター外観>

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<東京物流センター外観>

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<井内社長>

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クイックデリバリーで高い評価得る

――    現在の物流体制について。

井内 業界で高く評価いただいているのがアズワンの物流体制です。販売店は全国にたくさんありますが、その販売店が在庫を持つ必要がないということが大きいと思います。その代わり、我々が豊富な在庫を持ち、注文があれば当日、もしくは翌日には配送するという体制を構築していることです。豊富な在庫を持つこと、クイックデリバリーで配送できること、これを徹底したことが顧客の支持を得たものと考えています。

――    物流システムはどのような形ですか。

井内 全国3か所の物流センターで全国へのクイックデリバリーを実現しています。本社の基幹システムと結ばれた物流センター内のサーバにより、最も効率の良い出荷方法を選定するとともに、商品在庫をきめ細かくコントロールしています。物流センターは大阪、東京、九州に設置しています。基本的に、地域の販売店に大量の商品を届け、そこから先のラストワンマイルは地域の販売店が届けるといった分業体制で行なっています。

――    物流業界ではラストワンマイルの危機が叫ばれています。

井内 そうですね。ドライバー不足も深刻ですし、倉庫要員の獲得も熾烈ですね。労働人口も減少しているだけに、より深刻です。さらに、物流費の上昇も大変です。物流事業者と年に数回値上げ交渉に臨んでいますが、値上げに応じないと、運んでもらえませんからね。ちょっと参ってます。ただ、現在、人も足りない、コストもかかるということで、これは業界全体、産業界全体でアイデアを出してみんなで支え合うことが必要でしょうね。例えば、今度新しい物流センターで共同物流的な試みを実践したいと思っています。

――    配送関係は井内物流が担当していると聞きましたが。

井内 井内物流は100%アズワンの子会社です。ここは、あくまでも物流のコントロールをしている部門ですので、実際に配送する部門ではなく、その地域ごとに運送事業者に配送をアウトソースで依頼しています。基本的にアズワンの経営ボリシーとして、「持たざる経営」を掲げていますので、なるべく多くの専門の方の力を借りて運営しようとしています。トラックから物流センターまで自前で持つというのは、リスクも高いですし、大変なことです。より効率的に物流を進めるため、共同物流や業界の共同インフラに向けての動きも加速させていけたらと考えています。

――    先ほど、ロングテールの商品も含めると、400万点の商品があると。それらを全て在庫しているわけですか。

井内 在庫を持つことには力を入れてきましたが、400万点の在庫を持つことは、現実的に無理ですし、非効率的です。ロングテール商品を常に在庫しているとすると、巨大な物流センターがいくつあっても足りません。そのため、我々が持っている在庫だけでなく、サプライヤー在庫の見える化を図っています。約3000社のサプライヤーと在庫状況を我々も共有し、販売店、ユーザーにも開示していく取り組みを行なっています。もし、注文を受けて今日、出荷できなくても、日本のどこかに在庫があるという状況が見えれば、2〜3日のうちには届くだろうと思っていただけます。これだけでも、ユーザーには安心感が生まれます。

――    物流力が御社の強みの一つになっていると。

井内 そうですね。同業他社と比較してもずば抜けていると思います。例えば理化学機器カタログ卸業専業商品在庫額で見ても、他社を大きく引き離していますし、受注即日出荷は95%、売れ筋3000品目では99.8%という高い数字を示していることからもお分かりいただけると思います。

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