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武州製薬/大型冷蔵倉庫開設、医薬品のコールドチェーン実現

2020年08月14日/物流施設

武州製薬は9月、美里工場(埼玉県児玉郡美里町広木950)に「美里コールドチェーンセンター(大型冷蔵倉庫棟)」の運用を開始する。

<美里コールドチェーンセンター(美里CCC)>
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同センターは3900m2の冷蔵倉庫棟で、冷蔵保管管理が必要な無菌薬製剤とバイオ製剤の保管倉庫として使用する。

同社は、ヘルスケア製品の受託製造専門会社で、日米欧などグローバルの最新GMP基準に基づいて国内外の医薬品製造販売メーカーの治験薬、商用医薬品、医療機器の包装をはじめとする受託製造を行っている。

<美里CCCの業務>
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新冷蔵倉庫棟「美里CCC」は、バイオ医薬品などの保冷製品の各工程における品質保証を可能にし、医薬品の製品規格、生産、在庫管理と輸送を一元的に管理する。

このため、日本とアジア諸国への供給を可能にし、「アジアのハブ工場」として欧米医薬品メーカーのグローバル展開のサプライチェーンの一役を担うことができる。

主な機能は、自動検査機を導入することにより包装検査の作業効率を向上させ、入出荷前室を含む低温度管理(2~8℃対応可能)、温度センサーによる管理、冷凍機2 系統保持によるバックアップ対応、非常用発電機を確保した。

トラックヤードのカーテンとダイレクト接続による防虫、保温管理や、LED照明による調光、暗室化を装備している。

300パレットから稼働を始め、将来的に900パレットまで増築可能な設計としている。

製造する医薬品の移動距離が78%短縮化し、棟内作業の効率化を進める。川越工場と678m(冷蔵倉庫~検査室、冷蔵倉庫~包装室)、美里工場が145mとなる。

日本国内の販売を目的とした医薬品には100%目視検査が必要で、無菌製品や生物学的製品では特に時間がかかり高い検査技術を必要とし、プレフィルドシリンジ、液剤バイアル、凍結乾燥バイアルの検査工程を改善し、無菌医薬品の検査体制を確立した。

プレフィルドシリンジを含む8つの包装ラインを構築し、無菌充填ラインを強化するために注射用水設備を更新する。

長期的なITマスタープランの一環として、生産自動化システムと分析情報管理システム(LIMS)をアップグレードしていく計画だ。

これまで複数の外資系製薬会社から受託し、同社ではバイリンガルな技術移転チームが確立され、分析手法の移管を促進し、海外で充填された医薬品の検査・包装・分析工程の検証を可能にしている。

武州製薬の最高執行責任者である高野忠雄は、「私たちのアジア市場向けのハブ戦略が実現しつつあります。追加されたスペースと検査ラインにより、お客様のバルク製品の多くを国内に輸入することができ、物流とサプライチェーンシステムがより効率化されます」と述べている。

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