日本郵船は10月8日、グループ会社のNYK Shipmanagement(NYKSM社)のトレーニングセンターがPSA Marineの訓練機関であるPSAM Academyと提携し、センター内の操船シミュレータを用いた訓練に代わる「オンライン操船訓練コース」を開設したと発表した。
<訓練を実施するNYKSM及びPSAM Academyのスタッフ>
トレーニングセンターにある操船シミュレータルーム内のビデオカメラ映像と、接続した機器の画像を、オンライン会議ソフトウェア上で共有。受講者は、オンライン会議ソフトウェアを介して操舵号令など、船を操船するための指示を行うことができる。
リアルタイムでシミュレータ映像が確認できるほか、レーダーや電子海図など、操船に必要な航海計器も同時に確認することが可能で、実際のシミュレータを用いた訓練と遜色ないよう工夫を凝らしている。また、PSAM Academyと提携したコースでは、水先人として豊富な経験を持つインストラクターにより、その操船知識と技術を得る事ができる。
日本郵船では、NYKSM社のトレーニングセンターにある操船シミュレータを使用し、年間約100名の操船教育・訓練を実施してきたが、コロナ禍で各国の渡航が制限されており、訓練の継続が困難になっていた。オンライン操船訓練を導入することで、渡航制限下でも、各国籍の乗組員が渡航することなく、安全運航の為の継続した教育・訓練を受ける事が可能になる。
今後は、オンライン操船訓練のほか、e-learningやオンライン学習、訓練等を積極的に導入し、コロナ禍での安全運航に向けた乗組員教育・訓練を実施していく方針。