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日通/純粋持株会社を設立し持株会社体制へ移行を決定

2021年01月29日/SCM・経営

日本通運は1月29日、2022年1月4日(予定)を効力発生日とする同社の単独株式移転(本株式移転)により、純粋持株会社(持株会社)を設立し、持株会社体制へ移行する方針を決定し、その準備を開始すると発表した。

<持株会社体制移行後の持株会社体制>
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日通ではこれまでグループ本社の再構築について検討してきたが、1月29日開催の取締役会において、グループ経営戦略機能と事業推進機能を分離する持株会社体制への移行を決議したもの。なお、本株式移転に関する事項が確定次第、株式移転計画の決定に関する取締役会決議を行う予定であり、具体的な内容については決定次第告知するとしている。

持株会社体制への移行により、これまで事業持株会社であった日本通運は引き続き中核事業会社であることは変わらないが、日本国内ロジスティクス事業および日本起点のグローバル事業を牽引する役割が中心となる。

海外ロジスティクス事業は、海外各地域統括会社が、グローバル本社機能を有する持株会社と連携しながら牽引する。物流サポート事業会社は、グループ内向けサービスの機能会社と顧客向け物流関連サービスを提供する物流サポート事業会社に役割を整理し、ロジスティクスに新たな価値を付加する事業を展開し、物流の高度化を推進する。なお、グループ体制の詳細は現在検討中だ。

持株会社体制への移行方法は、日本通運を株式移転完全子会社、新設する持株会社を完全親会社とする単独株式移転方式による。これにより同社株式は上場廃止となる、同社の株主に新たに交付される持株会社の株式については、東京証券取引所市場第一部に新規上場(テクニカル上場)の申請を行うことを予定しており、実質的に株式の上場を維持する方針だ。上場日は東京証券取引所の審査によるが、本株式移転の効力発生日である2022年1月4日を予定している。

持株会社体制への移行目的と移行により実現するグループ経営体制については、まずグループ経営の強化を挙げている。

持株会社体制に移行することにより、持株会社はグループ経営に特化することが可能となり、グループの中長期の方針の策定とその実現に向けグループ全体最適と企業グループとしての価値最大化を実現する資源の再配分と機能・制度設計を進め、グループの成長戦略を牽引する。

加えて、グループ各社を支援しグループシナジーの創出を促すとともに、グループ各事業の最適化を進める。事業会社は明確な責任と権限に基づき、グループ方針に沿ったスピーディな意思決定のもと、各社の役割に応じて事業を推進する。また、持株会社の支援のもと、各社の事業部門は時代の変化に対応した専門性と競争力を高めることで顧客価値の向上に努め、企業グループとしての持続的な成長を実現。これらを通じて企業グループとしての価値最大化を実現するとしている。

また、海外事業の更なる拡大を実現するグローバルガバナンス体制の強化を挙げ、グループ経営機能を日本国内事業会社から明確に分離することで、日本国内事業にとらわれないグローバルなグループ経営機能を確立する。日本起点のグローバル事業の更なる成長を促すとともに成長領域である海外事業に経営資源の更なる配分を進め、海外起点のビジネスの拡大を目指す。持株会社と海外地域の中心となる地域統括会社との連携によりグローバル事業の成長を支えるための統制機能を強化し、グローバルガバナンス体制を確立する。

さらに、グループ経営管理体制の高度化では、持株会社は、グループ各事業の最適化や高度化を進めるために、グループ各事業の「可視化」を進め、迅速かつ正確な経営判断ができる経営管理体制を構築。

また、顧客起点のグループ全体最適とグループシナジーによる顧客価値の向上を実現するために、これまでの各社・各組織の売上・利益等の指標だけではなく、全体最適を促す KPI を導入し評価できる仕組みを構築するとともに、マーケティングの推進や顧客ニーズ等の情報をグループで共有してこれまで以上に活用し、グループワンストップ・アカウントマネジメント体制を強化するとともに、各事業において新たなサービスを創出する体制を整備する。これらを可能とするグループデータベースの構築を事業のデジタル化とともに加速させるとしている。

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